◆パ・リーグ　日本ハム０―６ソフトバンク（２８日・札幌ドーム）

　頼もしいエースが帰ってきた。新型コロナ陽性から３０日ぶりの１軍マウンドに上がった千賀は「８０球」の球数制限があるなか、７６球で目標の６回を投げ抜いた。「責任が伴う登板だったと思うので、ホッとしてます」。４安打無失点でチーム最多の９勝目。球団では１９８２～８８年の山内孝徳以来の７年連続２ケタ勝利に王手をかけた。

　初回。この日最速１５８キロを計測し、３者凡退で波に乗った。２回は全て“お化けフォーク”で３三振と寄せつけず、３回以外は毎回の９Ｋを奪った。ネット裏にはヤンキース、パドレス、メッツ、フィリーズ、パイレーツと米５球団のスカウトが集結。今季中にも海外ＦＡを取得見込みで、メジャー挑戦の可能性がある右腕は自身の力を存分に見せつけた。

　今月４日の感染後、一時は体温が３９度台まで上昇した。「大人になってから高熱になることってあんまりない。変化はありましたけど、自分の体とたくさん会話をしましたし、今日で動き始めて１０日ぐらいなんですけど、隔離中にいい準備ができたんじゃないかなと思います」。２１日には２軍戦で実戦復帰し、勝負の終盤戦を意識して“超速”で仕上げてきた。

　チームは無安打無得点を喫した翌日に今季１７度目の完封勝利で快勝。藤本監督は「４回か５回までと思ってたら、６回までいけたからね」と、千賀をたたえた。次回の登板は１００球がメド。完全体に近付く右腕が頂点まで押し上げる。（中村　晃大）

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