【オリックス】頼れるラオウの2発&“中嶋マジック”で後半戦白星スタート

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2022.7.30(土) 07:00

9回無死一、二塁、杉本裕太郎が左越えに13号同点3ラン本塁打を放つ(右奥は益田直也)

◆パ・リーグ ロッテ8―9オリックス=延長12回=(29日・ZOZOマリン)

 オリックスが延長12回の死闘を制し、後半戦白星スタートを切った。杉本裕太郎外野手(31)が3点を追う9回にこの日2本目となる起死回生の同点3ラン。延長11回には内野5人シフトの“中嶋マジック”でサヨナラを阻止しし、直後の攻撃で勝ち越してロッテを振り切った。今季最多の貯金2とし、5位から3位に浮上。首位・西武とのゲーム差を2に縮めた。

 頼れる主砲が勝利の流れを引き寄せた。3点を追う9回無死一、二塁。杉本はフルカウントから守護神・益田のスライダーを左翼席へ放り込んだ。土壇場で同点の3ラン。「甘い球を一発で仕留められて良かった」。劇的な一発でベンチのボルテージは上がった。

 執念弾で試合は延長へもつれ込んだが、抑えの平野佳は新型コロナ陽性で離脱中。リリーフ陣、野手陣、ベンチが総力戦で戦った。延長11回2死一、二塁。7番手の阿部が代打・菅野に対しカウント2―2としたところで中嶋監督が動いた。中堅・福田を二塁へ動かし、二塁・大城は二塁ベース後方へ移動。内野5人、外野2人シフトの奇襲に出た。代打・菅野の打球は内野シフトの網にはかからず、大城と遊撃・紅林の間を抜けたが、左中間浅くを守っていた左翼・中川圭の好返球で二塁走者・藤岡は本塁憤死。サヨナラを阻止した。

 その直後の攻撃、2死二塁で福田の二塁内野安打に二塁手の悪送球が絡んで勝ち越し点が転がり込んだ。最後を近藤が締めて逃げ切った指揮官は11回のシフトについて「そんなことしたっけ。普通の守備だよ」と、とぼけたが、采配が光った。

 ラオウは後半戦初打席となる1点リードの初回2死三塁では先発・石川から2ラン。今季初の1試合2発で自己最多の5打点をマークした。昨季は32本塁打中13本がロッテ戦。「相手チームどうこうって意識はしていない」と話したが“キラー”ぶりを発揮した。昨年も東京五輪明けの後半戦初戦となるロッテ戦(ZOZO)の第1打席で2ラン。「休んだので気持ちがリフレッシュされた。休むって大事」と笑みを浮かべた。

 チームは今季チーム最長の4時間36分の激戦を制し、貯金を今季最多の2とした。5位から3位へ浮上し、首位と2ゲーム差に接近。「杉本は起死回生の一発だった。これから先、内容はもちろん大事だけど結果になる。非常に大きな1勝」と指揮官。昨年リーグ覇者の逆襲が始まった。(玉寄 穂波)

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