【球宴】ロッテ・佐々木朗希、16球連続直球「変化球サイン出なくて。松川のせいで打たれました」

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2022.7.28(木) 05:05

1回1死、ウォーカー(後方)に162キロの速球を中前にはじき返された佐々木朗(捕手・松川=カメラ・今成 良輔)

◆マイナビオールスター2022 全セ1―2全パ(27日・松山坊ちゃんスタジアム)

 「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦(松山)が行われ、全パが連勝した。全パ先発のロッテ・佐々木朗希投手(20)が1回3安打1失点で三振は奪えなかったが、2014年に日本ハムの大谷翔平投手(28、現エンゼルス)が記録した日本人球宴最速に並ぶ162キロをマーク。全パは1点を追う2回、ロッテのドラフト1位・松川虎生捕手(18)が球宴初安打となる同点適時打を放ち、史上最年少18歳9か月での安打&打点を記録した。決勝ソロを放った全パのソフトバンク・柳田悠岐外野手(33)がMVPを獲得した。

 20歳の怪物右腕がまた歴史に名を刻んだ。初回1死、ウォーカーに投じたこの日の7球目が162キロを計測すると、球場はどよめきに包まれた。球宴では14年に大谷翔平(日本ハム)がマークした日本人最速に並んだ。

 「160キロとりあえず出てくれて、ホッとしています」と胸をなで下ろした右腕がこの日見せたのは“直球ショー”だった。初球から16球連続で直球勝負。1死からウォーカーにこの日の最速162キロを中前へと運ばれ、山田、村上にも連打を許し1死満塁のピンチ。続く佐藤輝にも直球勝負を挑んだが「本当にセ・リーグの打者は打つので、変化球を投げないと終わらないところでした」とここで初めて変化球を選択した。

 4球目にフォーク、6球目にカーブを交ぜ、9球目の157キロ直球で佐藤輝は左犠飛。先制点を献上したが、後続を断ち切り1回を3安打1失点。「変化球投げたかったんですけど、サイン出なくて。松川のせいで打たれました」と女房役の後輩をイジりながらも、“直球ショー”で観客を魅了した。

 朗希にとってオールスターは夢の舞台だった。小学5年生だった2012年。故郷の岩手・盛岡で東日本大震災復興支援の目的で行われたオールスター第3戦を観戦していた朗希。津波の被害を受けた岩手県沿岸部の少年野球チームが招待されたあの日、輝きを放つプロ野球選手を目に焼き付けた。「この時は夢にも思っていなかった。選手として出られてうれしく思います」と10年の時を経て、ファン投票1位で選出される投手にまで成長。“主役”として夢舞台を盛り上げた。

 実戦は1日の楽天戦(ZOZO)で右手中指のマメが潰れて以来、約1か月ぶり。「どうにか1イニング投げ切れたのでよかった。ストレートだけで抑えるのは難しいですね(笑い)」と振り返った朗希。期待の三振は0だったがこの日の直球平均は158・7キロ。計23球の朗希ショーは観客の目に焼き付いたはずだ。

 「三振はシーズンで取ることが出来れば。後半戦は1回も抹消せず最後まで投げきれるように頑張りたい」。再び歴史に名を残した20歳右腕は、後半戦も新たな記録を打ち立てていきそうだ。(小田原 実穂)

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