ロッテ、勝ち試合の6回に小野郁がいる強み

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2022.7.13(水) 10:33

ロッテ・小野郁

● 西武 2 - 4 ロッテ ○
<11回戦・ベルーナドーム>

 ロッテは2位・西武との3連戦の初戦、中村奨吾の2ランで先制すると、6回と7回は相手のミスにつけこみ得点し4-2で勝利した。首位・ソフトバンクが5位・オリックスに敗れたため、4位ながら首位とのゲーム差は3となった。

 攻撃陣は初回から制球に苦しむ松本航を早いイニングでの攻略、5回満塁の好機にあと一本出ていればという課題は残ったものの、相手のミスから得点するロッテらしさは光った。

 勝利の要因はリリーフ陣だろう。4回まで無失点に抑えていた先発・本前郁也が2-0の5回に源田壮亮に適時打で1点を失い、二死一、二塁のピンチで外崎修汰を空振り三振に仕留め、最少失点で切り抜けた。本前は5回を投げ終えた時点で86球と、球数的にはもう1イニング投げられる展開だったが、引っ張ることなく6回からリリーフ陣に託せるのがロッテの強み。

 3-1の6回に登板した小野郁が1イニングをわずか6球で三者凡退に抑えると、4-1の7回は東條大樹も危なげなく3人で打ち取る。8回はゲレーロではなく、オスナがマウンドに上がり、外崎に死球を与えたものの、4番・山川穂高に対して投球モーションを変え、タイミングを外してストレートで空振り三振に仕留めるなど1回無失点。9回に守護神・益田直也が愛斗に一発を食らったが、4-2で逃げ切った。

◆ 小野の存在

 この試合で改めて感じたのは小野が、チームに欠かせない存在だということだ。

 12日の西武戦も本前を5回でスパッと代えることができたのも、小野が安定した投球を披露し続けているからだろう。その期待に応え、1イニングをわずか6球で打ち取り、流れを渡さなかった。小野が6回の1イニングをピシャッと抑えたからこそ、7回以降の継投で苦労しなかったともいえる。

 今季の小野は制球で苦しむことが減り、ストライク先行で球数少なく1イニングを終える登板が増えた。4月のオンライン取材で小野は「球数を使って抑えるのが良いと思うんですけど、全員球数が多かったりしたらリズムに乗れないと思います。簡単にじゃないですけど、抑え方でもリズムが変わってくると思います。なるべく自分にも悪い方向にいかないような投球しています」と少ない球数で抑えられている理由について語っている。

 小野は先発が5回で降板したあとの勝ち試合の6回、東條が連投中のときには勝ち試合の7回、大量リードした場面の9回、1、2点ビハインドの展開で登板など、様々な場面でマウンドに上がっている。投げる場面が決まっている“勝利の方程式”の投手に比べると、やや大変なポジションではあるが、結果を残し続けている。小野のような役割の投手は、チームにとっても貴重な存在、大きな強みといえるだろう。

文=岩下雄太

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