【日本ハム】宮西尚生 プロ新記録の880試合連続救援「今年ダメなら辞める…シンプルな考えが自分に合っている」…中継ぎの流儀2025「勇往邁進」

スポーツ報知

2025.5.30(金) 06:57

試合前練習で笑顔をみせる宮西尚生(カメラ・岩田 大補)

 日本ハムの宮西尚生投手(39)が15日のオリックス戦(エスコン)で、プロ野球新記録となる880試合連続救援登板を達成した。自ら記す連載「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」で、偉業に導いたリリーフの極意「試合を読む力」について激白。若手投手陣のさらなる成長を願う熱い思いも明かした。

 先日、尊敬する大先輩である岩瀬仁紀さんの記録を抜く、880試合連続救援登板を達成することができました。1年目からリリーフ一筋で登板する中で大切だと感じるのは、いかに少ない球数で肩をつくれるかです。理想は何回も肩をつくり直すことなく、登板までの準備を1回で済ませること。肩肘は消耗品です。プロの世界で長く戦っていく上で、体と心の負担を少なくすることがとても重要になってきます。そこで必要不可欠なのが、試合を読む力です。

 自分の置かれている役割を理解し、先発投手の特長、打順、相性、点差など目まぐるしく変わる試合展開を予測し、準備できるかが本当に大切です。コーチに言われてから動くのでは遅い。3時間の試合でわずか10分の出番に、全てのピークを持っていくことができるか。出番を先読みし、効率よく肩をつくれるか。その見極める力がリリーフのセンスだと思います。

 それは最初からできたわけではなく、18年間戦っていく中で培われたものです。最近のブルペンでは、後輩投手から「ここ、出番ありそうですかね」といった声も上がるようになっています。自分もコーチと選手の中間のような役割で「このパターンだったらないかな」とか「バックアップに入るんじゃない?」などとアドバイスも送っています。そういった先読みをしようとする発言が自然と出るようになっているのは、リリーフとして成長している証だと思います。

 それでも、若手投手陣には、まだまだ伸びしろを感じる部分は多いです。何球で効率よく肩ができるか、つくり方の練習をしている選手は少ないです。自分の場合はしっかりキャッチボールをして、立ち投げで何球か投げ、捕手を座らせて10球以内で体が出来上がるという感覚を持っています。キャンプの段階から目先のパフォーマンスだけではなく、様々な場面を想定し、どうやって肩をつくっていくかという意識で練習していくと、さらに成長できると感じています。

 来月2日には40歳を迎えます。ですが、年齢は全く気にしていないです。1軍で求められる選手が試合に出られるし、通用しなくなったら終わりです。何歳までやりたいとか先を見ることもないし、今年ダメなら辞めるといったシンプルな考えが、今の自分に一番合っていると思います。これからも、目の前の一日、一球に全力でプレーしていきたいと思います。

(宮西 尚生)

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