【ソフトバンク】プライドと適応力で進化したスチュワート、来日初勝利にみた全米ドラ1の本領…担当記者コラム

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スチュワート

 “全米ドラ1右腕”が、覚醒のときを迎えている。今季、来日5年目のソフトバンク・スチュワートが、7月26日のオリックス戦(京セラD)で来日初勝利を挙げた。通算9度目の先発でつかんだ念願の1勝目。「やっとという気持ちだし、本当にうれしい。平らな道ではなかったですけど、努力さえ怠らずに目標を持ってやれば、必ずこういう日が来ると証明できたと思います。2年前くらいにも勝てたかもしれないけど、今日だったことに意味があるのかな」と笑った。

 スチュワートは18年MLBドラフトでブレーブスから1巡目(全体8番目)指名を受けたが、右手首の異常で合意に至らず、19年に6年総額700万ドル(当時のレートで約7億7000万円)でソフトバンクに入団した。しかし、若さゆえに練習から不満を態度に出し、指導者の声に耳を傾けず、試合でもアマチュア相手に打ち込まれることも珍しくなかった。

 当時を知る斎藤学投手コーチは「1年目から十分、通用する力は持っていたと思います」とした上で、こう続けた。「日本の野球に適応させようとしすぎて、全てを狂わせてしまったのが大きな出遅れの原因じゃないかなと思います。ピッチングではなく、ただ力任せに一生懸命投げていただけという時期もね。結局、興味があったのがスピードとか三振とか。『俺、何キロ出ているだろ』みたいな。(当時は)そんな感じの投球しかできなかった」

 それでも、少しずつ変身してきた。昨オフはプエルトリコのウィンターリーグに参加した。「行く必要ないって、それまでは拒否していたんだけどね。自分で参加して、いろんな人と接したり、いろんな野球を見て来て、勉強になったと思う。時間がかかったという見方があるかもしれないですけど、対応するって大変じゃないですか。異国の地で」と斎藤コーチ。

 最初から、その潜在能力は折り紙つき。メジャーのプライドに日本の細かい野球が融合し始めた。スチュワートの登板試合はネット裏からメジャーのスカウトが目を光らせる。150キロ台後半の直球は超一級品。金の卵が藤本ホークスを押し上げる。(ソフトバンク担当・中村 晃大)

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