
◇台湾シリーズ 日本ハム3―0統一(1日、台北D)
【台北(台湾)1日=川上晴輝】日本ハムは台湾シリーズ・統一戦(台北D)を行い、3―0と快勝した。「4番・一塁」でフル出場した野村佑希内野手(24)は、2点リードで迎えた6回1死二塁から左前適時打。貴重な追加点を呼ぶ一打で勝負強さを見せつけ、3打数1安打1打点と4番の仕事を果たした。独特の盛り上がりを見せる台湾で勢いに乗り、すでに4番に指名されている開幕へ向け、さらに状態を上げていく。
目の前で走者が得点圏に進むと、野村の集中力が一気に高まった。2点リードの6回、暴投で一塁走者・清宮が二塁へ進んだ。直後のカウント1ボール2ストライクから、相手投手が決めにきた変化球をコンパクトに打ち返した。ライナー性の左前適時打。4回無死一塁の2打席目は併殺に倒れていただけに「初めての投手で、2打席目が中途半端になった。得点圏でランナーをかえすことができてよかった」とうなずいた。
独特の応援が力になった。内野席最前列で音楽に乗ってチアが踊り、応援団はマイクを使って声を出す台湾スタイル。「常に応援の声が聞こえていて、テンション高く打席に立つことができました」と振り返った。「曲とか音楽で応援されてるのが日本のイメージなんですけど、言葉が打席まで伝わってくる。新鮮で、楽しかったです」。最高の雰囲気に背中を押された。
2月から出場した実戦9試合は全て4番起用。28打数8安打、打率は2割8分6厘と十分、期待に応える数字だ。さらに、7打点をマークするなど8安打中5本が打点つきと勝負強さが際立っている。昨年11月のファンフェスで新庄監督に開幕4番に指名されて以降、ファンからの声がけも増えた。「励みにもなりますし、プレッシャーもあります」。チームの中軸を担う重みを受け止め、エネルギーに変えている。
1か月に及ぶキャンプを終えた直後の台湾遠征。“異国”を楽しむことでリフレッシュできている。「歩きたくなるような街並みで、探索したいなと。タイミングがあれば、夜市とかもあるらしいんで」。食事ではナマコも初体験。「いろんなものを食べたい派。食も全然気にならないくらいおいしいなと思いますし、(ナマコは)初めての食感という感じでした」と変化も十分に楽しんでいる。
開幕まであと1か月。野村は「どんどんピッチャーも良くなっていくと思いますし、しっかりタイミングを取ってどう打ち返していくか。100%の状態で開幕を迎えられるようにやっていければ」と表情を引き締めた。昨季はわずか56試合の出場で打率2割1分、2本塁打、9打点。CSでは出番すらなかった。屈辱のシーズンは成長の糧。真の4番へ、花開く準備が整ってきた。
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