
◆日本生命セ・パ交流戦 2025 中日3―5オリックス(17日・バンテリンドーム)
長いトンネルを抜けた。オリックス・東に本当の笑顔が戻った。「勝てて良かった、という感じが大きいです」。367日ぶりに持ち帰った白星。「うれしいし、気持ち的にホッとしています」と息をついた。
初回に2四球が絡み、1点のリードを吐き出した。「軽く投げるじゃないですけど、2回からガラッと変えました」。バンテリンDは初登板。経験や知識がない分、大胆なモデルチェンジができた。3者凡退のイニングは1度だけでも、6回まで最少の1失点。粘投で、流れを引き寄せた。
昨年8月に右肘を手術。同じ先発右腕では、広島からFAで九里が加入した。「一歩進んで二歩下がる。それを繰り返そう」。焦る気持ちを誰よりも理解していたのは岸田監督。顔を合わせればいつも、着実に歩む道を用意してくれた。
この日は最速151キロを計測した。90キロ台のスローカーブから10キロ刻みで、多彩な球種を操る本格派。5月17日の西武戦(ベルーナD)で今井と投げ合った。翌日には、面識のなかった相手エースにあいさつ。「打者に変化球と思われてしまう」と特にスライダーのヒントを得ようと、勇気を持って質問した。「スライダーを投げようとしないこと。真っすぐを投げる気持ち」。基本は直球。一昨年までチームメートだった山本由伸(ドジャース)からも教わった考えだった。
貴重な助言をくれた今井はこの日、横浜でDeNA相手に17奪三振の完封勝利。派手さは先輩に譲ったが「治療からリハビリをずっとやってもらった。トレーナーさんにも感謝を伝えたい」と大きな一歩を踏み出した。チームは今季2度目の5連勝で、リーグも交流戦でも2位キープ。オリにまた一本、柱が立ちそうな予感だ。(長田 亨)
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