
◆パ・リーグ 楽天0―7オリックス(3日・楽天モバイル)
一塁ベンチがゆらゆらと揺れた。オリックス・紅林弘太郎内野手(23)が「大谷超え」のパパ1号を放った直後だ。「2日間ぐらい休みをもらったので、気合を入れてやりました」。1点を先行した5回に2号ソロ。試合前まで通算46打数7安打だった苦手・早川から左越えへ運び去った。
昨年オフに結婚した夫人の出産に立ち会うため、4月29日のロッテ戦から2試合の「父親リスト」入り。30日に第1子が誕生し、復帰初戦でアーチをかけた。海を越え、ドジャース・大谷のパパ1号は8試合目。主将の頓宮が発案した「ゆりかごポーズ」には岸田監督や水本ヘッドコーチも続き、総出で祝福された。
チームとともに1日に仙台入り。母子ともに健康でスマホには写真や動画が届く毎日だ。「子どもの顔を見ると元気が出るし、力になる。頑張るぞ!って」。球団に与えられた「産休」中の睡眠は数時間。愛する家族のために尽くし「幸せな寝不足」だったはずだ。
初回無死二塁では先制の中前打。チームも敵地の楽天戦で7連勝を飾った。「パパとしていい背中を見せられるように」。独身時代、あるトイレのポスターに目を奪われたのが「男が惚(ほ)れる男になる」というフレーズ。まだまだ太く、強い柱になる。(長田 亨)
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