◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

　百聞は一見にしかず。新庄監督の取材で痛感した言葉だ。入社４年間はレイアウト担当。内勤でテレビを通して野球を見る日々だった。自分の感じたことや疑問をすぐ、監督や選手にぶつけられる新鮮な毎日を送っている。

　特に新庄監督にはイメージを大きく覆された。現役時代の派手なパフォーマンスやバラエティー番組出演、敬遠球をヒットにするなど、感覚的で自由奔放な人柄を想像していた。

　しかし、３月上旬の台湾遠征で台湾グルメや日頃の食事について聞くと、予想外の答えが返ってきた。

　「外食どころじゃない。映像を見ないといけないから。ｉＰａｄ見ながら、飯を食ってる感覚なんてない。入れてる感じ。最終的にはコンビニのおにぎり２つとかで終わる時もある」

　派手な外食を想像していたので驚いた。試合後も常に野球のことを考え、データ分析や研究。就任当初から見せる奇想天外な作戦や起用法には、日頃の努力が裏付けされていると知った。

　たぐいまれな人心掌握術の持ち主でもある。チーム最年長３９歳の宮西は「見透かされているような感じ。声かけのタイミングが絶妙」と証言した。新年にインスタグラムのＤＭ（ダイレクトメッセージ）で、３年ぶりのキャンプ１軍スタートを告げられた。自身は２軍調整を想定していたが、指揮官からの言葉から「２軍スタートで甘ったれた調整はさせないぞ」と感じ取り、オフの自主トレに一層熱が入ったという。

　現場の空気をじかに感じられるのは、記者ならではの経験。監督、選手の内に秘めた思い、現場でしか分からない真実を読者に届けていきたい。（日本ハム担当・川上　晴輝）

　◆川上　晴輝（かわかみ・はるき）　２０２１年入社。レイアウト担当を経て、今季から北海道支局。

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