
8月30日、「PR1DE the FINAL」と冠し、埼玉西武ライオンズ・栗山巧選手の引退試合と引退セレモニーがベルーナドームで行われた。
この日の午前中に都内で引退会見に登壇した栗山選手。慣れ親しんだ本拠地に戻ると、練習で汗を流す。

引退試合には「6番・DH」で出場。スタメン発表で栗山選手の名前がアナウンスされると、ライオンズファンのひときわ大きな歓声がドームにこだました。背番号1のユニフォームを着用したライオンズナインがグラウンドに駆け出し、17時1分にプレーボール。
栗山選手は第3打席までいい当たりを飛ばすも相手の好守に阻まれる。しかし8回裏に巡ってきた第4打席。初球を叩くと、セカンドの左を抜けるセンター前安打に。引退会見での言葉通り、安打数をまた1つ増やしてラストゲームを終えた。
セレモニーに盟友たちが駆けつける 野茂英雄さんのひと言でドームが沸く
試合後に行われた引退セレモニー。場内が暗転し、ムービーの上映で開演。幼少期から今日までのキャリアを本人の語りで振り返る内容だ。「精一杯だった」というファームでの3年間、2008年・片岡保幸さんとの最多安打争い、2000安打達成のエピソード、ライオンズで25年プレーし続けたことへの想いが明かされた。
続いて花束贈呈。後藤高志オーナーから花束と記念品が贈られる。さらに、栗山選手とともに若手の頃から切磋琢磨し、2008年にライオンズ日本一を成し遂げた盟友が駆けつけた。







栗山選手の憧れの存在である野茂英雄さんも来場。「これまで楽しいことをたくさんありがとう。一緒に練習して今日まで成長する姿を見せてくれて、自分自身の財産にもなってます」と語る。「それともう一つ。引退を撤回してほしい!」のひと言にはライオンズファンも拍手。「栗山選手のこれからの決断・行動を応援していきたいです。ありがとう」とエールが贈られた。

応援し続けてくれたライオンズファンへ、栗山選手から熱いメッセージ
セレモニーのクライマックスは栗山選手によるスピーチ。昨年冬に2026年を「締めくくりのシーズン」にすると発表し、この春から特別イベント「PR1DE SERIES」を開催するという、球界では珍しい形でラストシーズンを駆け抜け「協力してくださったPR1DEスタッフの皆さん。長かったようで短かったと思います。ファンと私をつなぐ活躍、ありがとうございました」と関係者に感謝を述べた。
そしてレフト側に体を向け、ライオンズファンに「苦しいときも、楽しいときも、支えてくださって本当にありがとうございました」と呼びかける。「25年間、ライオンズの栗山であり続けました。今もこれからもライオンズの栗山です」の熱いラストメッセージに、大きな拍手と歓声が上がった。

場内一周ではレフトのライオンズ応援団の前で足を止め、「これを聞けなくなるのかという気持ち」(栗山選手)で応援歌、チャンステーマを聞き入ったそう。その後、炭谷選手と中村剛選手に誘われてマウンド方向へ向かうと、1番を背負ったチームメイトと記念撮影。東北楽天・岸投手も参加しての胴上げも行われ、栗山選手は3度宙を舞った。

午前中の引退会見から始まった現役最後の日。セレモニー後、報道陣の取材に対し栗山選手は「終わってみたらあっという間。最高の一日を過ごせた。あとでゆっくり振り返りたいなと思います」と穏やかに話した。


撮影:丹羽海凪
文:菊地綾子