負けてもお立ち台? ライオンズ流のファーム若手育成法「若獅子リフレクション」とは

2024.6.15(土) 09:59 パ・リーグ インサイト 海老原悠
埼玉西武ライオンズ・糸川亮太投手(C)パーソル パ・リーグTV

今季から負け・引き分け試合でもインタビューあり。反省点を選手に聞く画期的な試み

 お立ち台は本来勝利チームのインタビューの場であるが、今季の埼玉西武ライオンズのファームに限ってはその限りではない。土・日・祝日の主催試合(CAR3219フィールドのみ)で勝敗に関わらずインタビューを実施しているのだ。通常の勝利インタビュー「若獅子インタビュー」と区別し、「若獅子リフレクション」と呼ばれるその時間は、あえて選手に現状の課題を聞き、リフレクション=内省・反省を語ってもらうという斬新な試みだ。

 皆さんにも覚えがあると思うが、人は自分の良かったパフォーマンスについてはスラスラと出てくるが、うまくいかなかった時に何が原因だったか、それをどう次の機会までに改善するかを、反射的に答えることは難しい。若獅子リフレクションは、敗戦直後にマイクを向けるということで、選手の本音、悩み、決意が聞ける。もっといえば、選手の頭の中を覗くような“生っぽさ”がある。
 これらの仕掛け人は西武ライオンズ人財開発担当だ。球界では聞き慣れないが、ライオンズの「人財開発」とは、主にファームの若手選手のマインドセットや思考の面から育成を支えること。具体的には、「主体的に行動できる選手の育成」と「言語化能力の高い選手の育成」だという。グラウンドでの姿勢や取り組みも含め、技術スキル以外の部分を一軍で通用するために、考え方などを形成していく役割を担う。
 青木智史育成コーチ、荒川雄太三軍バッテリーコーチ、上原厚治郎さん(兼任チーム広報・打撃投手)、木村文紀さんと元選手が多いこの部署で奮闘しているのが、昨年11月からこの人財開発担当となった伊藤悠一さんだ。

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