まさに「芸は身を助ける」。 直近10年間で「守備率10割」を達成した投手たち

2020.5.30(土) 11:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
楽天イーグルス・岸孝之投手【撮影・菊地綾子】

投手の守備が評価の対象となる機会はそう多くはないが……

 各シーズンにおける守備の名手を表彰する「三井ゴールデン・グラブ賞」は、野手のみならず投手部門もその表彰の対象としている。バント処理、打球反応、送球や判断の正確性といった投手個人のフィールディングは、アウトカウントを稼ぐという点でも小さくない意味を持つもの。だが、実際に投手の守備力が脚光を浴びる機会はそう多くはないのが現状だ。
 その理由の一つとして、投手の守備力を示すデータの数自体が少ないことが挙げられる。それに加えて、野手の場合はレギュラーであればほぼ毎試合のように出場し、その守備が多くの人の目に触れるものだが、投手の場合はたとえ主力であっても、登板機会や出場イニング数、すなわち守備に就く機会自体が野手よりも少なくなる。そのため、データと印象の両面で、投手の守備について評価する機会が少なくなっているのは確かだろう。
 そこで、今回は「守備率」という指標に着目していきたい。失策を犯さずに守備をこなした確率を示すこの数字は、野手の各ポジションに加えて投手の部門も、NPB公式サイトにおける集計の対象としている。この数字のみでは打球反応やフィールディングの巧みさまでは推し量ることができないが、「ミスなく正確に守備をこなした投手」を確認するための判断材料には...

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