打率と「BABIP」の関係から“予測”、パで打率が落ちそうな選手は…
セイバーメトリクス系の指標にBABIP(Batting Average on Balls In Play)というものがある。「本塁打を除いてグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合」を示すもので、20年ほど前にアメリカの研究家、ボロス・マクラッケンが発見した指標だ。
マクラッケンは投手のデータを研究していて、投手の被本塁打を除いた被打率が、投手の実力にかかわらず常に3割前後になることを見つけた。ここから、投手の被本塁打以外の被打率、打者の本塁打以外の打率(ともにBABIPという)は、実力と関係のない「偶然の産物」だという結論を導き出した。
この研究は、関係者に大きな衝撃を与えたが、だれもマクラッケンの説を覆すことができず、BABIPは今では重要な指標の一つとなっている。小説「マネーボール」でもBABIPは紹介されているが、アスレチックスのビリー・ビーンらGMを筆頭とするMLBの編成担当は、このデータが発表されてから打率ではなく本塁打率、出塁率をより重視するよ...