【試合戦評】一進一退の攻防は千葉ロッテが勝利。西野投手は6回2失点で約5カ月ぶりの白星

パ・リーグ インサイト

2017.9.30(土) 00:00

Koboパーク宮城で行われる千葉ロッテとのカード初戦は、楽天にとって勝負の8連戦の3戦目。昨日は12四死球を出しながら、無失点で勝利を収めた楽天。今日の先発は、前回登板の福岡ソフトバンク戦において、5回3/1を投げて1失点で3勝目を挙げた塩見投手である。存分に持ち味を発揮して連勝を導き、リーグ2位・埼玉西武との差を縮めたい。

一方、千葉ロッテは先発に再転向した西野投手が、5月2日の北海道日本ハム戦以来の先発。これまでの登板は球数の多さが目立った。今日は丁寧な投球で、4月13日以来約5カ月ぶりの勝利を挙げられるか、注目したい。

先制したのは楽天だった。1回裏、この日1番に起用された岡島選手が左安打で出塁すると、犠打失敗と盗塁で2死2塁の好機を迎える。すると4番・ウィーラー選手がフルカウントから二遊間を破る適時打を放ち、すかさず先制点を奪う。さらに2回裏にも、1死から7番・島内選手が四球を選び、続く聖澤選手が内野安打。9番・嶋選手も四球で出塁して1死満塁の好機を迎えると、内野ゴロの間に1点を挙げ、楽天が2点をリードして試合を進める。

しかし、3回表に流れが変わる。この回先頭の田村選手が低めの難しい球を上手くさばいて左翼前へはじき返すと、続く大嶺翔選手が高めの直球を引っ張る。打球はそのまま伸びて左翼席前方へ飛び込み、第5号同点2ランに。大嶺翔選手は「過去の対戦からインコースは攻められていたので頭にありました。上手く反応することができました」と振り返り、対戦経験を踏まえた技ありの一発を見せた。千葉ロッテ打線が、久しぶりの先発となった西野投手に大きな援護点を加え、試合は2対2振り出しに戻る。

援護を受けた西野投手は徐々に立ち直りを見せた。持ち味の直球とフォークを軸に打たせて取る投球を展開し、3回以降は鷲打線を無失点に抑える。

2対2。次の1点がどちらに入るかは大きな意味を持つが、その1点は千葉ロッテに入った。6回表、先頭の荻野貴選手が三塁手の横を破る安打で出塁すると、盗塁と内野ゴロで進塁し、1死3塁の好機を作る。ここで4番・ペーニャ選手が右中間への犠飛。こう着状態に入りつつあった試合で、千葉ロッテが1点の勝ち越しに成功する。

7回からは両チームとも継投に入る。千葉ロッテ・西野投手は6回を投げ、被安打5、奪三振5、与四球3、失点2と試合を作り、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りる。

千葉ロッテの1点リードで迎えた8回表、2死から4番・ペーニャ選手が、楽天の3番手・高梨投手の7球目を捉えた。打球は右中間席中段へ飛び込み、貴重な追加点を挙げる特大の一発となる。ペーニャ選手の一振りで、千葉ロッテが欲しかった2点リードをもぎ取った。

2点を追う楽天は、8回裏に2死2塁から8番・聖澤選手の適時二塁打で1点差まで迫ったが、反撃もここまで。試合は千葉ロッテが継投で逃げ切り、4対3で勝利を収めた。先発の西野投手は、4月13日以来となる先発登板での勝利を手にした。また、打っては8番・田村選手がマルチ安打、9番・大嶺翔選手が猛打賞を記録した。下位打線が活性化することで、それが刺激となって上位打線も奮起する。今後も自身のアピールのため、打線の活性化のためにも、下位打線の役目は重要になってくるだろう。

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