【試合戦評】白熱のシーソーゲームは西川選手のサヨナラ打で勝負あり。北海道日本ハムが3連勝

パ・リーグ インサイト

2017.9.28(木) 00:00

札幌ドームで行われる北海道日本ハムと楽天のカード初戦。北海道日本ハムの先発は、ここ3試合でいずれもクオリティ・スタートを達成している加藤投手である。また、北海道日本ハム打線は「4割打者」が待望の一軍復帰だ。6月6日の広島戦を最後に戦線を離脱し、腰椎椎間板ヘルニア摘出手術を受けた近藤選手が、ついに今日、3番・DHでスタメン復帰。残り8試合、打線のけん引役となれるか、注目したい。

一方、楽天の先発・岸投手は、7月19日以来2カ月以上勝ち星がない。前回のオリックス戦では7回3/2を投げて6失点を喫し、敗戦投手となった。熾烈な2位争いの渦中にいる楽天にとって、落とせる試合は1つもないだけに、結果が求められる登板となる。

試合は初回から動きを見せた。楽天は1回表、1死から2番・藤田選手、3番・アマダー選手の連打で1死1,3塁と好機を生み出す。続くペゲーロ選手が三振に倒れ2死となったが、5番・銀次選手が高めの直球を捉え、打球は二遊間へ。これを二塁手・横尾選手が好捕したものの適時内野安打となり、楽天が1点の先制に成功する。

先制を許した北海道日本ハムだったが、その裏、2番・松本選手がフルカウントから真ん中に入った直球を振り抜き、打球は左中間席へ伸びる。「まさかこの広い札幌ドームで入るとは思いませんでした」と、打った本人も驚きの本拠地初となる第5号同点弾で、北海道日本ハムがあっさりと同点に追い付いた。

さらに2回裏、昨日決勝弾を放った先頭の大田選手が、2試合連続となる第13号勝ち越し弾を放ち、スコアは2対1に。北海道日本ハムがリードを奪うことに成功する。

3回の攻防は無得点に終わったが、4回表、鷲打線は再び北海道日本ハムの先発・加藤投手を攻め立てる。先頭の島内選手が四球で出塁すると、続く嶋選手の犠打で1死2塁と手堅く走者を進める。9番・オコエ選手も四球を選ぶなどして、2死1,3塁と一打逆転の状況で迎えるのは、今日ここまで2安打と好調な2番・藤田選手。高めのボール球をうまく捉えると、打球は二遊間を破って中翼前へ。3塁走者が生還し、楽天が再び試合を振り出しに戻した。

シーソーゲームの様相を呈してきた今日の試合。5回以降は両先発投手が立ち直り、スコアボードには0が刻まれる。

2対2の同点で迎えた8回表。先頭のウィーラー選手が、北海道日本ハムの2番手・鍵谷投手からフェンス直撃の二塁打を放ち、無死2塁と勝ち越しの好機を生み出す。続く島内選手の犠打で進塁すると、8番・嶋選手が一塁線へ絶妙なスクイズ。手堅い戦法で1点をもぎ取り、楽天が試合終盤で勝ち越しに成功した。

しかし、そのまま試合は終わらなかった。その裏、先頭の近藤選手が右中間を破る二塁打で出塁。その後、2死3塁となって打席には6番・横尾選手が立つ。楽天の勝ちパターンである福山投手の投じた低めのチェンジアップを巧みにさばくと、中翼の前にポトリ。再び3対3の同点となり、試合はまたもやこう着状態に陥る。

ドラマは、9回裏に待っていた。先頭の清水選手が右中間を深々と破る二塁打で好機を演出し、続く石井一選手が犠打で1死3塁とする。そして1番・西川選手が楽天の守護神・松井裕投手の4球目を捉えると、打球は二塁手を強襲。その間に3塁走者が生還し、試合は4対3で北海道日本ハムがサヨナラ勝利した。

北海道日本ハムの先発・加藤投手は9安打を浴びながらも7回を2失点にまとめる好投。勝ち星にこそ恵まれなかったものの、これで4試合連続クオリティ・スタートとなった。今後も先発陣の一角として、ますます期待せざるを得ない。

一方の楽天は、2位・埼玉西武が敗れたことを踏まえると、手痛い敗戦を喫した。「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」ファーストステージを本拠地・Koboパーク宮城で開催するために、残り11試合、ナインのさらなる奮起が求められる。

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