メジャー初本塁打→可愛すぎる「サイレントトリートメント」は伝説
昨オフに日本ハムからポスティングシステムを利用し、エンゼルスへと移籍した大谷翔平投手。移籍1年目となった今季は投打でメジャーを席巻し、日本だけでなく米国でも一大センセーションを巻き起こした。投手として10試合に投げて4勝2敗。右肘靭帯損傷のためシーズン後半は打者専念となったものの、22本塁打を放ち、見事に日本人メジャー選手では4人目の快挙となる新人王に輝いた。
「ショータイム」の愛称や、大谷がホームランを打った際にテレビ実況が発する「ビッグフライ! オオタニサン!」は日本でも広く認知され、「ショータイム」は新語・流行語大賞にもノミネートされたほどだ。今季終了直後にトミー・ジョン手術を受け、現在はリハビリ中。来季は打者に専念し、投手としての復帰は2020年となる見込みだ。ベーブ・ルース以来100年ぶりの本格的二刀流復活となった2018年は、間違いなくメジャー史に残る歴史的なシーズンとなったと言えるだろう。
大谷はメジャー1年目に数々の名シーンを生んだが、Full-Countでは独断で厳選。5つの名シーンを振り返り、あの時の興奮、熱狂を思い出したい。
○メジャー初先発で初勝利
4月1日(日本時間2日)の敵地アスレチックス戦で、待望のメジャー初先発を果たした。初回から最速160キロの真っ直ぐなどで三振を奪うなど、3者凡退の好スタートを切ったが、2回に逆転3ランを被弾。それでも、味方打線が6回に再逆転に成功し、大谷は6回3安打6奪三振3失点で、見事に初先発初勝利とした。大谷の“二刀流伝説”はここからスタートした。
○メジャー初本塁打後に待ち受けた“洗礼”
メジャー初先発初勝利の興奮も冷めやらぬ4月3日(同4日)の本拠地インディアンス戦。「8番・DH」で打者として2試合目のスタメン出場を果たすと、初回2死二、三塁の場面で右腕トムリンから右中間へメジャー初本塁打となる3ランを放った。
ここからがまた名シーンだった。初アーチを放った大谷がベンチに戻ると、チームメイトは完全に“無視”。大谷はダグアウトの中を1人ハイタッチで歩いたが、我慢できずにキンズラーに背後から抱きついた。すると、仲間たちから一斉に熱い祝福を受けたのだが、この「サイレントトリートメント」で見せた大谷の愛くるしい姿にファンは虜になった。さらに、大谷はこの試合から3戦連続アーチと驚異の活躍を見せた。
今季2度目の3戦連続アーチで松井氏、城島氏を超える
○ヤンキース開幕投手セベリーノから弾丸アーチ
4月26日(同27日)、本拠地で行われたヤンキース戦に「5番・DH」で先発出場した大谷。2回1死で打席に入ると、メジャー屈指の剛腕セベリーノが投じた内角97マイル(約156キロ)の真っ直ぐを腕を畳むようにして捉え、弾丸ライナーで右翼スタンドへ運んだ。打球速度は180キロという驚異の数字を叩き出し、試合後、セベリーノに「もう内角には投げないよ」と言わしめるほどだった。
○靭帯再損傷判明直後に衝撃の1試合2発→松井秀喜超え
右肘靱帯に新たな損傷が見つかったと発表された9月5日(同6日)。敵地レンジャーズ戦に「3番・DH」で先発すると、第3打席で2戦連発となる17号ソロを放ち、松井秀喜氏のメジャー1年目の本塁打数を超えた。さらに、第5打席でも18号ソロを放ち、メジャー2度目の1試合2本塁打。これで城島健司氏(マリナーズ)の持つ日本人野手1年目の最多本塁打記録に並んだ。この試合は4打数4安打2本塁打3打点4得点1盗塁と驚愕の活躍だった。
○3戦連発で日本人メジャー1年目の最多本塁打記録を更新
衝撃の活躍から1日空いて迎えた9月7日(同8日)の敵地ホワイトソックス戦。「5番・DH」でスタメン出場した大谷は3回1死一、二塁の第2打席で本塁打を放った。ロドンの真っ直ぐを捉えると、詰まったかのように見えた打球は飛距離を伸ばし、相手中堅手のグラブごとフェンスを超えた。シーズン2度目の3戦連発となる19号3ラン。この1発で城島健司氏(マリナーズ)を抜き、日本人野手メジャー1年目の最多本塁打記録を更新した。
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