昨日の試合は荒天中止となり、迎えた今日の一戦。2位・埼玉西武に食らい付くためにも、落とせない試合が続く楽天は、昨日登板予定だった則本投手が、スライドして先発マウンドに上がる。前回登板のオリックス戦では、7回1失点と好投して約1カ月ぶりの白星を挙げた則本投手。今日もエースらしい投球で、チームを連勝に導くことができるか。
対する千葉ロッテは、石川投手が先発。今季楽天戦では未だ勝利がなく、8月22日の試合では7回6失点と打ち込まれている。今日こそは勝利をつかみ、雪辱を果たしたいところだ。
千葉ロッテ打線が則本投手の立ち上がりを攻め、試合は1回表から動きを見せる。まずは1番・加藤選手が安打で出塁すると、続く荻野貴選手が三塁線を破る適時二塁打を放ち、試合開始から4球で早くも千葉ロッテが先制点を挙げる。さらに2死3塁から、5番・鈴木選手が右前に適時打を運び、千葉ロッテがこの回2点を奪った。
2回、3回と両先発が危なげなく抑え、ゲームが落ち着いたかに思えた4回表。千葉ロッテは、先頭の鈴木選手が安打を放つと、2死2塁となってから8番・田村選手が中堅手の頭上を越える適時二塁打を放ち、1点を追加。スコアを3対0とし、リードを広げた。
リードをもらった千葉ロッテの先発・石川投手は、鋭く曲がり落ちるシンカーが冴え、5回まで無安打という圧巻の投球を見せる。対する則本投手も、石川投手の快投に呼応するように徐々にシフトアップ。5回から8回までの4イニングスで許した安打は1本と好投し、8回を終えて3対0と千葉ロッテがリードを保ったまま、試合は9回の攻防へと突入する。
則本投手が9回表を無失点に抑え、流れを呼び込む投球を見せると、ここまで石川投手の前に得点を奪えずにいた楽天打線が反撃を開始する。先頭のオコエ選手が安打を放つと、続く岡島選手が四球を選び、無死1,2塁と得点圏に走者を運ぶ。この絶好機に、2番・藤田選手と3番・アマダー選手が連続適時打を放ち、楽天が土壇場で1点差に詰め寄った。
なおも無死1,2塁の場面で、千葉ロッテの2番手・松永投手から4番・ペゲーロ選手が適時打を放ち、怒涛の3連続適時打で一気に同点に追い付く。さらに代打・中川選手の犠打が敵失を誘い、1死1,3塁とサヨナラの好機を迎える。そして6番・ウィーラー選手が敬遠され、1死満塁の場面で打席に立った銀次選手だったが、最後は押し出し死球を受けて試合終了。9回裏に4得点を挙げた楽天が、4対3で劇的に試合を制した。
9回に3連続適時打に加え、押し出し死球で4点を奪った楽天がサヨナラ勝利。則本投手は9回を投げ、被安打8、奪三振8、与四球3、失点3と先制を許しながらも粘り強く投げ切り、完投で13勝目を飾った。最終回に怒涛の攻撃を見せ、試合をひっくり返した楽天はこれで2連勝。明日からも続く本拠地での連戦に向け、最高の形で勝利を収めた。
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