歴代最高の日本シリーズ男は誰? MVP&敢闘賞から見る大舞台に強い男の系譜

Full-Count 広尾晃

2018.11.2(金) 11:35

2014年に日本シリーズMVPを受賞した福岡ソフトバンク・内川聖一※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
2014年に日本シリーズMVPを受賞した福岡ソフトバンク・内川聖一※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

MVPは1950年、敢闘賞は1953年から表彰開始

 福岡ソフトバンクが王手をかけて、日本シリーズもそろそろ大詰めを迎えようとしている。日本一球団の行方とともに気になるのが「シリーズMVP」だ。

 日本シリーズは1950年、プロ野球がセ・パ両リーグに分立した年から始まり、第1回からシリーズMVP(最高殊勲選手)を選出してきた。また、1953年からはシリーズで敗退したチームで最も活躍した選手に「敢闘選手賞」が贈られるようになった。

「日本シリーズMVP」と「敢闘賞」は、日本一を決める大舞台に強かった選手の勲章と言っていいだろう。両賞の受賞回数のランキングを見てみよう。

長島茂雄(巨人)4回(M4回)
稲尾和久(西鉄)3回(M1回敢2回)
足立光宏(阪急)3回(敢3回)
別所毅彦(巨人)2回(M2回)
堀内恒夫(巨人)2回(M2回)
工藤公康(埼玉西武)2回(M2回)
秋山幸二(埼玉西武/福岡ダイエー)2回(M2回)
古田敦也(東京ヤクルト)2回(M2回)
今江敏晃(千葉ロッテ)2回(M2回)
J・スタンカ(南海)2回(M1回敢1回)
大下弘(西鉄)2回(M1回敢1回)
宮本敏雄(巨人)2回(M1回敢1回)
山田久志(阪急)2回(M1回敢1回)
柴田勲(巨人)2回(M1回敢1回)
西本聖(巨人)2回(M1回敢1回)
石毛宏典(埼玉西武)2回(M1回敢1回)
稲葉篤紀(北海道日本ハム)2回(M1回敢1回)
長池徳二(阪急)2回(敢2回)
清原和博(埼玉西武)2回(敢2回)
川上憲伸(中日)2回(敢2回)

長嶋がMVP4度受賞も、王は縁なし

 ミスター・ジャイアンツこと、長嶋茂雄が4回受賞。しかも、すべてMVPだった。1963年を皮切りに、65年、69年、70年と受賞している。

 巨人は1965年から空前の日本シリーズ9連覇を果たしたが、このうち長嶋がMVP3回、続いて堀内恒夫が2回、柴田勲、森昌彦、高田繁、末次民夫が各1回受賞。意外なことに、王貞治は日本シリーズMVPにも敢闘賞にも縁がなかった。

 続いて稲尾和久がMVP1回、敢闘賞2回の計3回を記録。MVPを取った1958年、西鉄は巨人に3連敗のあと4連勝したが、稲尾は4勝全てを挙げた上に、第5戦では決勝のソロホームランも打っている。

 足立光宏は敢闘賞3回。巨人V9中に2回、東京ヤクルト初優勝の1978年に1回。1978年の足立はすでに38歳で、公式戦は4勝に終わったが、日本シリーズでは2試合で1完封。全く対戦したことがなかったサブマリンの名投手に東京ヤクルト打線は苦しめられた。

 福岡ソフトバンクの工藤監督も埼玉西武時代に2回シリーズMVPを獲得している。

 現役では千葉ロッテ時代の今江敏晃(現・年晶/東北楽天)が、シリーズ男と言える。千葉ロッテは2005年と2010年に日本シリーズに出場し、ともに日本一になったが、その2回とも今江がMVPに輝いている。

 福岡ソフトバンクと広島の現役選手で日本シリーズMVP、敢闘賞の受賞経験があるのは、内川聖一(2014年MVP)とエルドレッド(2016年敢闘賞)、サファテ(2017年MVP)の3人だけだ。

 今年は誰が「日本シリーズ男」になるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

記事提供:

Full-Count 広尾晃

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE