13日にCS開幕、優勝チームの“本音”を真中満氏が明かす 勝ち抜く秘訣も

Full-Count 篠崎有理枝

2018.10.13(土) 11:33

短期決戦を勝ち抜くための秘訣を語った真中満氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
短期決戦を勝ち抜くための秘訣を語った真中満氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

広島は7ゲーム差を付け優勝「勝たなくちゃいけない、という雰囲気に」

 13日からいよいよクライマックスシリーズ(CS)が開幕する。東京ヤクルトの指揮官として2015年のペナントレースで優勝、CSも勝ち抜き、チームを日本シリーズに導いた真中満氏に短期決戦を勝ち抜くための秘訣を聞いた。

 真中氏が指揮官として勝ち抜いた2015年のペナントレースは、巨人、阪神と接戦だったためCSを戦う上でプレッシャーはなかったと振り返る。

「接戦で優勝したので、勝てればラッキーくらいの気持ちで戦っていました。ペナントを獲れたので、日本シリーズ獲れたらラッキーくらいのつもりでした。優勝したけれど、チャレンジャーの気持ちだったので、苦しさは感じなかったです」

 一方、今シーズンのセ・リーグは広島が2位東京ヤクルトに7ゲーム差をつけて優勝しているため、状況が違う。

「かなりゲーム差が開いて優勝した場合、『勝たなくちゃいけない』という雰囲気になるので、プレッシャーがあると思います。更に東京ヤクルトとは対戦成績も広島が大きく勝ち越している。そういった状況も『勝って当たり前』というプレッシャーになり、やりづらさがあると思います」

 クライマックスシリーズを指揮した経験から、短期決戦ではデータよりも現場の感覚を重視するべきだと真中氏は語る。

「ファンは楽しい」も…CSは「変化を求めてほしい」

「データはもちろん参考にしますが、クライマックスシリーズは負けた時点で終わり。特にファーストステージは2試合しかありませんから、その時の選手のコンディションが一番大事です。先発投手は1試合か2試合しか投げない。選手はそこに向けてしっかり照準が合わせられるか。それも能力ですね」

 ペナントレースとは戦い方が異なるが、真中氏はクライマックスシリーズを戦う面白さは全くないと、経験した指揮官ならではの本音を漏らした。

「正直、現場からするとやりたくない。せっかく優勝したんですから。しかし、興行収入を得て行う野球ですから、営業面を考えればあったほうがいいと思います。また、2位と3位で通過したチームにも日本一になれる可能性があることは、ファンの方たちもすごく楽しいと思います」

 消化試合が減りファンの楽しみが増えたことは球界全体にとっては良しと考えているが、そこに甘んじてはいけないと力説する。

「いいから続けるのではなく、変化を求めてほしいと思います。12チーム中6チームが出場できる。半分がクライマックスシリーズに出られるのはおかしいと感じています。リーグを3つに分けて、優勝チーム1つずつと、ワイルドカード1チームとか、4つのリーグにして、そこから優勝チーム4チームで日本一を争うとか、そういう方が見ている人もわかりやすいのではないかと思っています」

 2007年に始まったCSは今年で12回目を迎える。よりファンに楽しんでもらうため、制度の見直しも必要なのではないかと真中氏は訴えた。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

記事提供:Full-Count

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