10年ぶりVの埼玉西武はシーズン中入団の助っ人が大きく貢献
2018年のプロ野球はレギュラーシーズンがほぼ終わり、セパ両リーグで13日の1試合ずつを残すのみとなった。同日には東京ヤクルト対巨人、福岡ソフトバンク対北海道日本ハムのクライマックスシリーズ・ファーストステージが初戦が行われ、ポストシーズンの戦いが始まる。
143試合を戦い抜いた各球団。今季も数多くのドラマが起きたプロ野球だが、球界を盛り上げてくれたのが助っ人外国人の存在。各球団で重要な役割を担った選手もいれば、開幕前に寄せられた期待ほどの結果を残せなかった選手も……。そして、シーズン中に入団し、救世主のごとく活躍した選手もいる。
はたして、今季プロ野球界でプレーした選手で、最もコストパフォーマンスに優れた助っ人はどの選手だろうか。今季の各助っ人の推定年俸と成績を振り返ってみたい。今回は埼玉西武が10年ぶりに優勝したパ・リーグ編。全助っ人の成績は以下のようになる。
◯埼玉西武(計7人、8億8605万円)
カイル・マーティン(3300万円)
22試合2勝1敗1セーブ10ホールド 21.2回 防御率2.08
ファビオ・カスティーヨ(1億260万円)
20試合7勝4敗3セーブ1ホールド 74.1回 防御率4.48
ブライアン・ウルフ(1億2000万円)
14試合4勝4敗0セーブ0ホールド 66回 防御率4.77
デュアンテ・ヒース(1925万円)
42試合4勝1敗13セーブ9ホールド 39.2回 防御率2.50
ニール・ワグナー(9120万円)
36試合2勝1敗1セーブ9ホールド 32回 防御率4.22
郭俊麟(2000万円)
3試合1勝0敗0セーブ0ホールド 15.2回 防御率6.32
エルネスト・メヒア(5億円)
82試合212打数45安打9本塁打21打点 .212 出塁率.282
◯福岡ソフトバンク(計7人、14億9500万円)
アリエル・ミランダ(4000万円)途中加入
8試合6勝1敗0セーブ0ホールド 47.2回 防御率1.89
リバン・モイネロ(5000万円)
49試合5勝1敗0セーブ13ホールド 45.2回 防御率4.53
リック・バンデンハーク(4億円)
23試合10勝7敗0セーブ0ホールド 138回 防御率4.30
デニス・サファテ(5億円)
6試合1勝0敗5セーブ0ホールド 6回 防御率3.00
ロベルト・スアレス(5000万円)
11試合1勝1敗0セーブ3ホールド 10回 防御率6.30
ユリスベル・グラシアル(5500万円)
54試合185打数54安打9本塁打30打点 .292 出塁率.347
アルフレド・デスパイネ(4億円)
116試合407打数97安打29本塁打74打点 .238 出塁率.333
オリックスはアルバース、東北楽天はハーマン、宋家豪が活躍
◯北海道日本ハム(計5人、8億円)
マイケル・トンキン(1億2000万円)
53試合4勝4敗12セーブ20ホールド 51回 防御率3.71
ニック・マルティネス(2億円)
25試合10勝11敗0セーブ0ホールド 161.2回 防御率3.51
ブライアン・ロドリゲス(5000万円)
9試合3勝2敗0セーブ0ホールド 37.2回 防御率5.26
オズワルド・アルシア(1億3000万円)
89試合284打数63安打14本塁打43打点 .222 出塁率.315
ブランドン・レアード(3億円)
120試合450打数105安打26本塁打65打点 .233 出塁率.309
◯オリックス(計5人、7億2920万円)
アンドリュー・アルバース(1億170万円)
19試合9勝2敗0セーブ0ホールド 114回 防御率3.08
ブランドン・ディクソン(2億円)
18試合4勝6敗0セーブ0ホールド 99回 防御率3.55
ドン・ローチ(3000万円)
11試合2勝3敗0セーブ0ホールド 50.1回 防御率5.01
ステフェン・ロメロ(2億8750万円)
119試合443打数105安打25本塁打63打点 .237 出塁率.313
クリス・マレーロ(1億1000万円)
68試合219打数44安打11本塁打26打点 .201 出塁率.282
◯千葉ロッテ(計5人、3億5860万円)
チェン・グァンユウ(2160万円)
24試合0勝1敗0セーブ1ホールド 41.1回 防御率3.92
エドガー・オルモス(6700万円)
2試合0勝2敗0セーブ0ホールド 7回 防御率7.71
マイク・ボルシンガー(9000万円)
20試合13勝2敗0セーブ0ホールド 117.2回 防御率3.06
タナー・シェッパーズ(9000万円)
25試合1勝3敗1セーブ9ホールド 37.2回 防御率4.54
マット・ドミンゲス(9000万円)
37試合84打数16安打7本塁打16打点 .190 出塁率.269
◯東北楽天(計7人、6億440万円)
フランク・ハーマン(1億円)
47試合2勝3敗18セーブ12ホールド 45.1回 防御率1.99
宋家豪(440万円)
39試合5勝3敗0セーブ6ホールド 40.2回 防御率1.77
ジョシュ・コラレス(600万円)
1軍登板なし
ゼラス・ウィーラー(2億円)
106試合368打数99安打15本塁打58打点 .269 出塁率.337
ジャフェット・アマダー(6000万円)
62試合212打数57安打20本塁打42打点 .269 出塁率.338
カルロス・ペゲーロ(2億円)
88試合309打数72安打17本塁打44打点 .233 出塁率.316
オコエ・ディクソン(3400万円)
22試合57打数10安打1本塁打3打点 .175 出塁率.217
パ・リーグでは、セ・リーグのフランスアやソト、ガルシア、アルモンテのような、驚くほど“格安”で大活躍した助っ人は少ない。昨季以前からチームに在籍していた選手が多いということもあるし、シーズン開幕前に入団した選手は推定年俸5000万円以上と、それなりのコストをかけて獲得されているのが分かる。
コストパフォーマンスという点で言えば、今季シーズン中に入団した助っ人に注目したい。その代表格は埼玉西武のヒースだろう。5月に埼玉西武に入団すると、当初は中継ぎだったが、チーム事情により終盤はクローザーを務め、13セーブ9ホールドをマーク。推定年俸1925万円ながら、投手陣に不安のあった埼玉西武の救援陣を支え、同じくシーズン中に加入した同3300万円のマーティンとともに優勝に大きく貢献した。
ホークスはバンデンハークやデスパイネらが昨季より成績を低下
福岡ソフトバンクもシーズン中に入団したミランダが8試合に登板して6勝1敗。連勝を重ねた終盤に先発ローテの一角を担い、重要な役割を果たした。その安定感からCS初戦の先発を託されるまでに。こちらは4000万円となっている。
開幕からプレーしている助っ人で最もコストパフォーマンスに優れていたのは千葉ロッテのボルシンガーか。シーズン序盤から白星を積み重ね、11連勝をマークするなど13勝。終盤に故障によって戦線を離れたものの、苦戦したチームで十二分の働きを見せていた。
東北楽天のハーマンは開幕当初セットアッパーだったが、松井裕樹の不振によって抑えを任され、18セーブ12ホールド、防御率1.99。好成績を収めた。また、宋家豪はシーズン中盤以降に中継ぎとして奮闘した。育成選手としてキャリアをスタートさせたこともあって、推定年俸は440万円ながら、39試合で5勝3敗6ホールド、防御率1.77と好成績を残した。
一方で、今季、パ・リーグの高年俸助っ人は、期待ほどの働きをできなかった。埼玉西武のメヒアは82試合で打率.212の9本塁打。福岡ソフトバンクのバンデンハークやデスパイネ、オリックスのロメロ、北海道日本ハムのレアード、東北楽天のウィーラーとペゲーロなども昨季の働きに比べれば、成績は物足りない。鷹の守護神サファテは股関節の手術で早々に離脱し、シーズンを棒に振った。大枚をはたいたところで、それに応じた結果が出るとは限らないのが外国人補強の難しいところだ。
(Full-Count編集部)
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