オリックス・西村徳文新監督が就任会見 2010年“和”で日本一、今回も「一つになること」を大切に【会見全文】

パ・リーグ インサイト

2018.10.11(木) 16:49

西村徳文氏(左)と長村球団本部長(右)(C)PLM
西村徳文氏(左)と長村球団本部長(右)(C)PLM

 オリックスの新監督に就任した西村徳文氏が11日、大阪市内のホテルで記者会見を行った。今季まで3年間、福良前監督の下でヘッドコーチを務めていた西村監督は「戦う中で気持ち的に弱い部分もあったと思う」と現状を分析。千葉ロッテの監督として2010年には「和」をスローガンに“史上最大の下剋上”と呼ばれる日本一を果たしている西村監督は今回も、一つになること、コミュニケーションの重要性を語った。

 西村監督は1960年生まれ、宮崎県出身。1981年ドラフト5位でロッテに入団後、16年間ロッテ・千葉ロッテ一筋でプレー。引退後はコーチ、監督を務め、2010年にはレギュラーシーズン3位からの逆転日本一を達成した。12年シーズン終了後に千葉ロッテ監督を退任し、16年からはオリックスでコーチを務めた。


以下は西村監督と同席した長村球団本部長の質疑応答全文。

(西村監督)自分の一番の役目はなんとかチームを優勝争いできるチームにすること。これが一番だと思います。そこに向かって精一杯やっていきたい。

-まずは本部長に伺います。西村監督に就任を要請された理由を教えて下さい。

(長村本部長)3年間、福良監督の右腕としてヘッドコーチでやっていただきました。そういう意味で、うちの選手、チームに対する思い入れ、なんとか選手をレベルアップさせたい、チームを上昇させたいという思いがあります。もう一つはロッテ時代に二軍コーチ、一軍ヘッドコーチ、一軍監督と経験をしてパ・リーグの野球を知り尽くしているというところです。それで就任をしていただいたということです。

-今、監督就任会見に臨む気持ちは?

(西村監督)大変責任のある仕事を引き受けたのが第一です。そこばかりを思ってしまうといい方向には進みません。引き受けた以上には強いチームを作る。そのためには何をすべきかは考えながらやっていきたい。やりがいのある仕事とは思っていますし、誰にも負けない情熱を持って選手と接していきたいと思います。

-今シーズン、戦況を見つめていたがどんなことを感じたシーズンでしたか?

(西村監督)まず、選手たちが戦う中で気持ち的に弱い部分もあったのかな、というのはあります。相手と戦うからには強い気持ちを持って、攻走守において積極的、アグレッシブな気持ちにさせることが一番大きな仕事だと思います。その気持ちを持つことで、相手と勝負する姿が見えると思います。

-戦う気持ちが足りないと思ったシーンは?

(西村監督)積極性に欠ける部分が多々ありました。「どうしてそういかないのかな?」という気持ちで負けているわけではないと思いますが、そのように見えたので、選手と話をしながらやっていきたい。「あの時の気持ちはどうだったのかな?」という部分からスタートしていきたいです。

-監督が大切にしたいこと、こだわっていきたいこと

(西村監督)チームが一つになることかと思います。バラバラになるというか、誰か一人でもチームから離れていけばまとまらないです。同じ方向に向かってやっていくには監督である自分が、大きな役割を持っているのでそういうところだと思います。

-ロッテ時代もチームを一つにした勢いを感じましたが、チームを一つにするために大切にしていきたいのは?

(西村監督)選手、コーチ、フロントの方を含めたコミュニケーションが一番大事。現場で選手、コーチがどういう気持ちでやっているのかを監督として把握しないといい方向には進まないと思います。決めつけというのはいけないので、コミュニケーションはしっかり取っていきたいと思います。

-夏場までは2位、その上も行けると感じました。失速の理由は?

(西村監督)今シーズンは7月からだと思いますが、昨年は6月からの失速でした。一番はけが人による失速だと思う。けが人が出ないのが一番ではありますが、けがをするにしても大きなものでなく小さなもので済ませるには、トレーニングコーチやその分野の方と話し合っていきます。出た場合にはカバーできる選手作りも監督の仕事の一つ、チームとしてやっていきたい。

-外国人選手も不在がちでオーダーを組むのも大変だったと思うが打線の補強ポイントは?

(西村監督)外国人選手が思うように活躍すれば苦労はしないが、それが抜けたらそれ以外の戦力でやらないといけません。ただ打つことばかりを考えると抜けた穴は大きくなります。でも野球は打つだけでなく、特に攻撃の場合は足を使う攻撃をもっと考えるというか、いなくなった場合にはそういったこともできるチームにしないといけません。

-次の塁をとる野球を目指す?

(西村監督)それは当然です。打つところでも初球から甘い球を取っていく、守るところでもどんどん攻めながらやっていく。攻走守において、そういう気持ちをすべて果たさないといけないと思います。

-投手陣ではFAの話や、リリーフ陣には夏場から疲労などもあったが?

(西村監督)ゲーム展開において後ろの投手にきつい思いさせたのは当然なことだと思います。そのためにも攻撃陣がもっと点をとることで負担は軽くなると思いますし、先発投手陣がもう少し長いイニング行ける形にすれば負担も軽くなると思います。

-FAについての考え、要望は?

(西村監督)まだ球団とまったく話はしていないですが、これからになります。

-ドラフトはどう考えますか?

(西村監督)その件も今日が会見ですから、まだできていないです。これから本部長、フロントの方と話をさせていただこうと思います。

-監督としては即戦力の投手か、将来性豊かな高校生でしょうか?

(西村監督)もちろん両方ほしいです。チームを考えると1年目から勝負なので勝たなければいけないが、育成も頭にいれながらやらないと…。どっちか一方では勝てません。難しいですが育成しながらチーム勝つのがベストです。補強的にはまだわからない状況なので、現段階ではそういったとことです。

-秋季キャンプのテーマは?

(西村監督)各選手、どれだけレベルアップできるか、上積みできるかを課題にやっていきたいです。選手それぞれが今年よりも成績を上積みできればチーム成績も良くなります。はっきり言って秋のキャンプは技術を上げるために、猛練習が必要になるかわかりませんが、徹底した練習は必要になります。

-期待の若手は?

(西村監督)個人的には誰というのはいませんが若手は全員。若手が伸びなければチーム力も上がらないので、そこは徹底して全員がレベルアップできるようにやっていきたいです。

-12球団で一番長くリーグ優勝から遠ざかっていて、1996年以来、日本一からも遠ざかっています。

(西村監督)前の球団で日本一になっているだけに日本一になるのがどれだけすばらしいかを選手に伝えないといけないと思っています。敵のチームでやっていましたが、強いチームだと実感していました。ヘッドコーチとして来る前にここ数年は力のある選手がたくさんいるという目で見ていたので、決して弱いチームではありません。どうやって優勝、日本一まで持っていけるかしっかり頭の中では考えているつもりです。

-ファンへのメッセージをお願いします

(西村監督)ファンの方も言いたいことはたくさんあると思います。それに応えられるように、ファンの力が現場で大きな力になりますので、温かい声援がもらえるようなチームにしていきたいと思います。

記事提供:

パ・リーグ インサイト

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE