優勝を知るベテランと若い世代の融合。埼玉西武が圧倒的な強さを見せた理由

パ・リーグ インサイト

2018.10.1(月) 14:00

埼玉西武ライオンズ・辻発彦監督(C)PLM
埼玉西武ライオンズ・辻発彦監督(C)PLM

 万感の思いとともに、8度、宙に舞った。埼玉西武が30日、2018年のパ・リーグ優勝を決めた。マジック1として臨んだ北海道日本ハム戦、試合には敗れたものの、マジックの対象チームだった2位の福岡ソフトバンクが千葉ロッテに敗戦したため、優勝が確定した。

「いやぁ…この日がいつ来るかと、思っていましたけど。選手たちは私のミスもあった中で助けてくれました」

 就任2年目の辻発彦監督。胴上げのあと、感慨深そうに優勝監督インタビューに臨んだ。138試合目でのリーグ制覇。2008年以来、10年ぶり。多くのプロ野球OBが福岡ソフトバンクの連覇を疑わなかった今季、見事にそれを覆してみせた。

 開幕から一度も首位の座を譲らずにゴールインした今年の埼玉西武。その強さの源は破壊力抜群の打線。チーム総得点は2位の福岡ソフトバンクの641得点を130点も上回る771点。外崎選手には9月上旬に負傷離脱のアクシデントがあったが、秋山選手、源田選手、浅村選手、山川選手、森選手と主力がシーズンを通して試合に出続け、大きなスランプもなく結果を残した。

 打線の中心は4番・山川選手。いずれもリーグトップの46本塁打、121打点という驚異の数字を記録した。3番の浅村選手は120打点で山川選手とタイトル争いを繰り広げるなど、中軸で得点を量産した。源田選手は7月に新人の開幕から221試合連続フルイニング出場というプロ野球記録を樹立。安打製造機の秋山選手は、チームトップの打率.321という数字も光るが、終盤では勝利を呼ぶ本塁打も印象的だった。

 ベテラン陣も存在感を見せた。本塁打王6度の中村選手は、序盤こそ不振にあえいだが、8月にはパ・リーグタイ記録の6試合連続本塁打を放つなど復調。4番の座は山川選手に譲っているが、28本塁打とまだまだ衰えを感じさせない。栗山選手もシーズン終盤は5番に座り、勝負強さを発揮。「個々に能力を持った選手が多く、個性を伸ばしていけば、いい結果が出ると信じてやってきました」と、振り返った辻監督。2008年の優勝を知る35歳のベテラン陣と、若い世代の融合を成功させた。

 就任1年目の昨季は2位。そこで礎を築き、2年目で栄冠を手にした辻監督。強力打線の勢いを殺すことなく、CS制覇、日本一へ一気に突っ走りたい。

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