【試合戦評】中島選手が4打数4安打。好調オリックス打線がつながり楽天に打ち勝つ

パ・リーグ インサイト

2017.8.11(金) 00:00

昨夜は、銀次選手の劇的サヨナラ打で延長戦を制し、北海道日本ハムとのカードを2連勝で終えた首位・楽天。今日はKoboパーク宮城から京セラドーム大阪に場所を移し、リーグ4位のオリックスとカード初戦を戦う。

先発はオリックスがディクソン投手で、楽天が岸投手である。前回登板で福岡ソフトバンク打線を7回1失点に抑え、チームを勝利に導いているディクソン投手は、今季ここまで7勝6敗。好調な打線の力も借りて、少しでも自身の貯金を増やしたいところだ。一方、試合開始前の時点でリーグ2位の防御率2.18を誇る岸投手は、その数字通りの安定感で、昨夜の劇的勝利からの良い流れを引き継ぐことができるか。中継ぎ陣の疲労がかさむ時期だけに、先発陣の柱の1人として、堂々と長い回を投げ抜きたい。

初回、両投手ともに走者を出しながらも無失点に抑える。試合が動いたのは2回裏だった。先頭の小谷野選手と6番・中島選手が連打で出塁すると、2死1,2塁から突如岸投手の制球が乱れる。9番・若月選手が四球を選んで2死満塁となると、続くT-岡田選手にも四球。押し出しでオリックスが1点を先制した。

先制を許した楽天だったが、直後の3回表。先頭のオコエ選手が二塁打で出塁し、続く茂木選手のゴロで進塁する。この1死3塁の好機で、昨夜のヒーローである2番・銀次選手が左前に落ちる同点適時打。2死2塁から4番・アマダー選手も中堅手の頭を越える勝ち越し適時打を決め、粘り強い楽天打線がこの回逆転に成功した。

しかし、楽天の1点リードで迎えた4回裏。好調のオリックス打線が岸投手に容赦なく襲い掛かる。先頭の中島選手が安打で出塁し、1死から8番・安達選手が四球を選ぶと、岸投手の暴投が絡んだ1死2,3塁の好機。9番・若月選手が逆転適時二塁打を放つ。1番・T-岡田選手も適時打で続いてリードを2点に広げると、なおも2死2塁から3番・マレーロ選手がバットの先で変化球を捉えて、左翼席に運ぶ10号2ラン。この回一挙5得点を奪ってスコアを6対2とし、試合中盤でオリックスが4点のリードを握った。

4点を追う楽天は、4回までに6失点を喫した岸投手の続投を選択。岸投手は落ち着いて5回裏を球数少なく凌ぎ切り、6回表から楽天打線が首位の粘りを見せた。先頭の島内選手がフェンス直撃の二塁打を放つと、続く聖澤選手が低めの球をすくい上げて中前への適時打とする。7回表にも5番・島内選手の適時打で1点を追加し、楽天が点差を2点まで縮めた。

7回裏は、7月31日に育成から支配下登録され、今日一軍昇格を果たしたばかりの宋家豪投手が登板。好投して逆転への望みをつなぎたいところだったが、オリックス打線は宋投手にも容赦なく牙を剝き、2死1,2塁から7番・小島選手の適時三塁打で2得点を挙げる。再びリードを4点とし、試合終盤で楽天を突き放した。

9回表のマウンドには平野投手が上がる。楽天打線の反撃を4人で終わらせると、試合は8対4でオリックスが勝利した。両チームともに12安打という乱打戦となったが、より打線がつながり、効率的に得点を稼いだオリックスが試合を制した。敗れた楽天は、リードを握られながらも諦めない姿勢を見せ、一時は接戦に持ち込んだが、4回裏の5失点が重く響いた。先発陣の立て直しが急がれる。

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