昨夜は中盤に打線がつながりを見せた埼玉西武が勝利し、カード成績を五分に戻した。勝ち越しを懸けた今日の試合では、オリックスが松葉投手、埼玉西武が菊池投手を先発マウンドに送る。松葉投手は今季3勝を挙げているが、うち2勝は埼玉西武戦で記録している。今日の試合でも、その相性の良さを見せ付けたい。対する菊池投手も、オリックス戦の防御率1.35と安定感を発揮している。今日の試合も貫禄の投球を披露して、自身最多タイとなるリーグトップの12勝目を挙げることができるか。

試合は初回から動いた。1回裏、2死から3番・マレーロ選手が菊池投手の低めの直球を完璧に捉えると、打球は左翼席に突き刺さって9号ソロとなる。打った本人も納得の一打が飛び出し、今日もオリックスが本塁打で1点を先制した。

ただ、昨日は激しい競り合いを制した埼玉西武。今日もすぐさま追い上げを見せる。直後の2回表、先頭の中村選手の安打と5番・山川選手の四球で無死1,2塁の好機を迎えると、ここで6番・栗山選手が適時打を放ち、すぐさま同点に追い付く。

しかし、今日のオリックスは簡単には流れを渡さなかった。3回裏、先頭の安達選手が真ん中に甘く入った変化球を強打すると、打球は左中間席に届く勝ち越しの2号ソロ。序盤からいきなり2本の本塁打を放ったオリックスが、1点のリードを握った。

松葉投手は序盤に同点打こそ許したものの、以降は走者を背負いながらも後続を断つ粘りの投球を披露。一方の菊池投手も、6回までに許した安打はソロ2本のみ。試合は最小点差のまま、後半戦の攻防に突入した。

このまま逃げ切りたいオリックスの勝ち継投に対し、埼玉西武打線が意地を見せる。8回表、2死から3番・浅村選手がこの回からマウンドに上がった3番手・近藤投手の甘く入った変化球をフルスイングし、打った瞬間それと分かる第13号同点ソロ。頼れるキャプテンの豪快な一発で、埼玉西武が土壇場で試合を振り出しに戻した。

劇的な展開は、8回裏に待っていた。先頭の大城選手の四球、続く安達選手の犠打、代打・伊藤選手の四球などで2死1,2塁と勝ち越しの好機が訪れると、2番・吉田正選手が左翼手の頭上を越える2点適時二塁打。今月の月間打率が.500を超えている絶好調男の殊勲打で、オリックスが試合終盤で2点のリードを奪った。

9回表は、復活の守護神・平野投手が埼玉西武打線の反撃を断ち切り、試合はそのまま4対2でオリックスが埼玉西武に勝利。オリックスは埼玉西武打線の追撃を受けながらも、最後は吉田正選手の一打で試合を決めた。3安打に抑え込まれながら効率的に4得点を挙げて競り勝ったことは、これからのチームに必ず好影響を与えるだろう。敗れた埼玉西武は、同点劇直後の8回裏に菊池投手が痛恨の勝ち越し打を許し、悔しいカード負け越しとなった。

明日からオリックスは楽天と、埼玉西武は千葉ロッテとの3連戦が待っている。オリックスは今カードの勢いそのままに、チームのさらなる浮上を目指したい。一方埼玉西武は、上位チームに引き離されないためにも、何としても勝利したい。