【試合戦評】東浜投手が「鬼門」を突破し自身初の10勝。首位攻防2戦目は福岡ソフトバンクに軍配が上がる

パ・リーグ インサイト

2017.7.27(木) 00:00

昨夜の試合は、新加入のクルーズ選手を含む外国人選手の活躍と、尻上がりに調子を上げたエース・則本投手の粘投によって、首位・楽天が福岡ソフトバンクを下した。後半戦最初の首位攻防戦2戦目となる今日の試合の先発は、楽天が岸投手。福岡ソフトバンクが東浜投手である。

岸投手の防御率は、現在リーグトップの1.95。規定投球回に到達している投手のうち防御率1点台を維持しているのは、両リーグ合わせてもただ1人だけである。登板した全ての試合で6回以上を投げ4失点以内に収めている安定感で、今カード勝ち越しを決めたい。対する東浜投手も、前回登板では8回途中1失点の快投を見せ、リーグ2位タイの9勝目を挙げた。しかしバンデンハーク投手と同じく、プロ入り以来Koboパーク宮城では未勝利。今日こそ「鬼門」を破り、昨夜の借りを返したい。

初回、岸投手は2者連続三振を含む3者凡退の立ち上がり。嶋選手が構えたところにズバリと直球を決めて、福岡ソフトバンク打線を抑え込む。一方東浜投手は得点圏に走者を背負うものの、後続を打ち取り無失点。両先発投手はさすがの投球を披露し、試合は首位攻防戦にふさわしく静かに幕を開けた。

最初に試合が動いたのは4回表だった。先頭の松田選手と4番・柳田選手が連打で出塁し、柳田選手が盗塁を決めるなどして1死2,3塁の好機を作る。ここで6番・中村晃選手が岸投手の初球を痛烈にはじき返し、内野の前進守備を破る2点適時打。昨日と同じく、福岡ソフトバンクが先制に成功する。

2点の援護を受けた東浜投手は、3回裏から3イニングス連続の3者凡退を披露。楽天打線を5回まで2安打無失点に抑え、球場との相性の悪さも感じさせない。そんな東浜投手の好投からリズムが生まれたのか、福岡ソフトバンク打線は6回表も容赦なく岸投手を攻める。1死から4番・柳田選手が四球を選び、1死1塁で5番・デスパイネ選手が右中間への適時二塁打を放つ。試合中盤で、福岡ソフトバンクが3点のリードを握った。

しかし、7回裏。ここまで3点を失いながらも9奪三振をマークするなど、調子が悪いなりに何とか踏ん張る岸投手を後押しするように、楽天打線が奮起する。先頭のウィーラー選手が二塁打で出塁し、続く銀次選手が進塁打を放つ。1死3塁の場面で6番・クルーズ選手は打ち取られるものの、その隙に3塁走者が生還。楽天がひとまず1点を返し、2点差に迫った。

そのまま勢いに乗りたい楽天だったが、直後の8回表。先頭の今宮選手が右前打で出塁し、続く松田選手のゴロの間に進塁する。そして2死2塁から5番・デスパイネ選手が、岸投手の直球をうまく打ち返し、三遊間を破った。今日2打点目となる適時打で福岡ソフトバンクが1点を追加し、再びリードを3点に戻す。

9回表にも、今宮選手の適時打で追加点を挙げた福岡ソフトバンクは、9回裏のマウンドにモイネロ投手を送った。危なげなく3死を奪って楽天打線の反撃を封じ、ゲームセット。

後半戦最初の首位攻防戦2戦目となった試合は、5対1で福岡ソフトバンクが勝利。1得点に抑えられた昨夜の借りを返し、一度は広げられたゲーム差を再び詰めた。先発の東浜投手は8回途中までを投げて被安打5、奪三振2、与四球1、失点1。チームの勝ち頭らしい安定した投球を見せ、「鬼門」のKoboパーク宮城でプロ初の10勝目をマークした。初戦が試合前中止になった影響で2連戦となった今カードは、1勝1敗の五分という結果で終了。僅差で競り合う楽天と福岡ソフトバンクの首位争いは、まだしばらく続きそうだ。

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