昨日の試合では、終盤に山川選手の一発が飛び出して同点に追い付かれるも、それ以外は無得点に抑えた投手陣の力投と粘り強い打撃で埼玉西武を破った楽天。今日の試合の先発は、5月31日以来今季2度目の登板となる塩見投手である。1カ月以上間隔を空けての登板となるが、1勝1敗で迎えた今カードの勝ち越しに貢献する投球が期待される。
対する埼玉西武の先発はウルフ投手だ。カードの初戦はエース・菊池投手が楽天打線をねじ伏せる快投を見せ、昨日の試合でも十亀投手が粘投を披露している。チームは7月6日から7連戦と過酷な日程となっているが、ウルフ投手も前2戦で投手陣が生み出したいい流れを引き継ぎ、上位に立つ楽天に食らい付いていきたい。
初回、両先発投手は不安定な立ち上がりとなり、試合はいきなり打ち合いの様相を呈する。まずは1回表、1死から2番・源田選手が安打で出塁し、続く浅村選手が四球を選ぶ。4番・中村選手は倒れ、2死1,2塁から5番・栗山選手が先制打を放って1点を奪取。さらになおも2死1,2塁の場面で6番・メヒア選手が直球を振り抜き、右翼席への15号3ラン。初回から、埼玉西武が一挙4得点を挙げる猛攻を見せる。
埼玉西武が序盤で大きなリードを握り、試合の主導権を奪ったかに見えたが、その裏。1死から2番・ペゲーロ選手と3番・岡島選手が安打と敵失で出塁し、1死2,3塁の好機で4番・ウィーラー選手が2点適時打。スコアは2対4となり、楽天がすぐさま2点差に迫った。
さらに3回裏には、先頭の岡島選手が安打で出塁すると、続くウィーラー選手がウルフ投手の変化球を引っ張り、今日早くも4打点目となる2ラン。「まだ序盤だし、なんとか早めに追い付きたいと思っていたんだ。応援もすごいし、塩見も粘りながら投げているからね。試合を振り出しに戻すことができて良かったよ」と語る頼もしい4番の一発で、楽天が試合を振り出しに戻した。
ともに4失点を喫した塩見投手とウルフ投手だったが、粘りながら5回を投げ、楽天は久保投手、福山投手とつなぎ、埼玉西武は大石投手、武隈投手とバトンを受け渡し、両チームが勝ち越しのチャンスを窺う。
再び試合が動いたのは7回裏だった。先頭のペゲーロ選手が今日2本目となる安打で出塁し、1死から4番・ウィーラー選手が猛打賞となる右前打で続く。そして1死1,3塁から5番・銀次選手が値千金の勝ち越し適時打。3イニングス連続でスコアボードに0が並び、落ち着きを見せていた試合を再び動かし、楽天が1点のリードを奪った。
わずかなリードを守るべく、9回表のマウンドには守護神・松井裕投手が上がる。危なげない投球で埼玉西武の反撃を阻止し、試合は5対4で楽天が勝利した。両チームともに2桁安打をマークする打ち合いとなり、埼玉西武では源田選手、楽天ではペゲーロ選手、ウィーラー選手、銀次選手の4人が猛打賞を記録したが、投手陣の踏ん張りによりわずかに楽天が上回る試合展開となった。
また、4対4の同点で迎えた7回表、楽天の3番手として登板した福山投手は、3連打を浴びて1死満塁のピンチを背負うが、4番・中村選手から併殺を奪取。35試合に登板して驚異の防御率0.00を維持するとともに、埼玉西武に試合の流れを引き渡さない好救援で、チームの勝利に貢献した。
今日の試合で福岡ソフトバンクが北海道日本ハムに敗れたため、これでゲーム差は再び-0.5となり、首位に返り咲いた。7月11日からは福岡ソフトバンクとの首位攻防の直接対決2連戦が待ち受けている。球宴前最後のカードを勝ち越して、首位キープという最高の形で前半戦を折り返したいところだ。
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