「オリックスの黒木」と呼ばれるために。ドラ2ルーキー・黒木投手の躍進

2017.6.22(木) 00:00 パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

今季の「日本生命セ・パ交流戦」で12球団中6位につけて、昨季の12位から大幅な巻き返しに成功したオリックス。現在、リーグ順位は3位の埼玉西武と7.5ゲーム差の4位で、2014年以来のAクラス入りは十分狙える位置だ。そんなチームの中で、一際存在感を発揮しているルーキーがいる。立正大出身の22歳、黒木優太投手である。

黒木投手は、2016年のドラフトで2位指名を受け、オリックスに入団。同じ名字であり、憧れの投手でもある黒木知宏氏(現・北海道日本ハム投手コーチ)の背番号「54」を背負い、「千葉ロッテの黒木さんに負けないようにオリックスの黒木になりたい」と語ったことで話題を集めた。

黒木知宏氏は、「ジョニー」のニックネームで76勝を挙げた千葉ロッテの「魂のエース」。オリックスの黒木投手も黒木知宏氏と同じように打者へ向かっていく強気な姿勢を身上としており、150キロを超える直球と緩い変化球による緩急自在の投球が武器だ。

黒木投手は、春季キャンプやオープン戦で存在感を示して開幕一軍入りを果たすと、3月31日の楽天戦で、中継ぎとしてプロ初のマウンドを経験し、初ホールドをマーク。4月2日は銀次選手に適時打を浴びて初失点を喫したものの、その後は安定した成績を残し、チームの「勝利の方程式」に定着。ルーキーながら守護神・平野投手へつなぐ8回を任されようになる。

初失点以降、5月16日まで13試合連続無失点という驚異の安定感を見せ付け、5月18日に3失点してから、再び6月14日まで12試合連続無失点。5月16日の福岡ソフトバンク戦では2対2の同点で迎えた8回に登板し、中村晃選手、松田選手、上林選手を3者凡退に封じると、直後の攻撃でチームが勝ち越しに成功。うれしいプロ初勝利を手にした。

5月27日の千葉ロッテ戦では、2点を追う8回に登板し、井口選手、ダフィー選手、三木選手を相手に圧巻の3者連続三振も披露する。チームはその後1点を返して僅差で敗れたものの、追加点を与えずに流れを呼び込む「8回の男」としての役割を堂々と全うした。

6月4日の巨人戦では、1歳年下のドラフト1位ルーキー・山岡投手の後を受けて、2点差で迎えた9回に登板。巨人打線の攻撃を危なげなく3人で終わらせて、初セーブもマークした。

黒木投手の交流戦終了時までの成績は以下の通りである。

30試合4勝1敗、15ホールド、1セーブ、31回、32奪三振、防御率2.03

30試合登板というのは、北海道日本ハムの鍵谷投手、福岡ソフトバンクの岩嵜投手、埼玉西武のシュリッター投手に次ぐパ・リーグ4位の登板数であり、今季のルーキーの中では、両リーグトップの数字である。

パ・リーグのホールド数ランキングを見てみると、北海道日本ハムの谷元投手、埼玉西武の牧田投手と言ったそうそうたるメンバーが名を連ねるが、その中にあってさえ、黒木投手がマークした15ホールドは、トップの谷元投手と4ホールド差の6位。この「オリックスの黒木」がいかに首脳陣に信頼されてマウンドを託されているのか、そして、黒木投手自身がどれだけ正確にその期待に応えてきたのかが窺える、優秀な成績である。

厳しい場面に登板し、背番号「54」にふさわしいマウンドさばきでピンチを断ち切る右腕に対し、指揮官も称賛を惜しまない。開幕直後の4月は15勝7敗という好調ぶりを見せ、5月28日から6月4日にかけて怒涛の7連勝を果たした今季のオリックスを語る上で、もはや黒木投手の存在を欠くことはできないだろう。

6月23日からは、熾烈を極めるペナントレースが再開する。日程は過密になり、容赦なく体力を奪う季節が訪れ、心身の消耗を癒す暇もなく一戦一戦の重みが増していく。黒木投手だけでなく、まだシーズンを完走したことのないルーキーたちは、想像を絶する過酷な戦いを強いられることになるだろう。しかし苦しいときこそ、憧れの「エース」の背中を思い出して、強気に打者へと立ち向かっていってほしいものだ。

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