6月15日に登板した楽天の則本投手は、東京ヤクルト打線から8三振を奪ったが、7回を投げて7安打6失点で降板。4月26日から続いていた自身の連勝が7で止まるとともに、2桁奪三振の記録も8試合連続で途切れた。
それでも日本プロ野球新記録を樹立し、メジャーリーグの連続試合2桁奪三振の最長記録保持者であるペドロ・マルティネス氏と、クリス・セール選手(いずれもレッドソックス)の試合数に並ぶ偉業であることに変わりはない。ここでは、則本投手が新たに打ち立てた連続試合2桁奪三振記録の内容を改めて振り返る。
※○は勝利投手、‐は勝敗つかず
4月19日 埼玉西武戦 ‐ 8回 10奪三振
4月26日 千葉ロッテ戦 ○ 7回 10奪三振
5月3日 オリックス戦 ○ 8回0/3 12奪三振
5月10日 千葉ロッテ戦 ○ 9回(完封) 12奪三振
5月17日 北海道日本ハム戦 ○ 7回 12奪三振
5月25日 オリックス戦 ○ 8回 10奪三振
6月1日 巨人戦 ○ 8回 12奪三振
6月8日横浜DeNA戦 ○ 9回(完投) 12奪三振
さらに、則本投手が期間中の8試合で奪った90三振はどのようなものだったのか。カテゴリー別に分類すると、内訳は以下のようになった。
【種類別】
空振り→75
見逃し→15
【球種別】
フォーク→34
ストレート→31
スライダー→21
カーブ→2
チェンジアップ→2
【イニング別】
1~3回→33奪三振
4~6回→37奪三振
7~9回→20奪三振
【状況別】
無走者時→61奪三振
有走者時→29奪三振
得点圏→16奪三振
満塁→2奪三振
【打順別】
1~3番→37奪三振
4~6番→29奪三振
7~9番→24奪三振
【対左右打者別】
右打者→62奪三振
左打者→28奪三振
【打者別(3奪三振以上)】
細谷圭選手(千葉ロッテ)→6奪三振
中島宏之選手(オリックス)→4奪三振
安達了一選手(オリックス)→4奪三振
レアード選手(北海道日本ハム)→3奪三振
渡辺直人選手(埼玉西武)→3奪三振
ダフィー選手(千葉ロッテ)→3奪三振
鈴木大地選手(千葉ロッテ)→3奪三振
球種別の奪三振割合を見ると、横に変化する球でも、縦に落ちるボールでも空振りを奪える則本投手のピッチングの特徴が反映されている。変化球での奪三振割合は有走者時に増し、29個のうち21個、得点圏の場面では16個のうち12個がストレート以外のボールだった。
とはいえ、15個あった見逃し三振のうち11個はストレートと、則本投手の代名詞とも言えるボールの威力も新記録樹立にしっかり貢献している。特に、左打者に対しては28奪三振中13個がストレートと、その比率は半分近くまで高くなっていた。
則本投手の快投に最も苦戦したのは細谷選手だった。対戦した4月26日と5月10日はともに3番を務めたが、いずれも3打席の勝負で3三振ときりきりまい。昨季までの通算7打数2安打4三振の相性どおりの結果に終わっている。それ以外の打者に目を向けてみても、やはり右打者から多くの三振を奪っているということがうかがえる結果となった。
惜しくも9試合連続2桁奪三振は逃す結果となった則本投手だが、今後、再びチャンスがやってくることは十分に考えられる。そして、4年連続となる奪三振王のタイトル獲得となるだろうか。今後の則本投手の投球からも目が離せない。
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