今夏の甲子園出場校出身選手はパ・リーグに何人在籍?全選手をリストアップ

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2018.8.6(月) 21:35

(C)PLM
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第100回全国高校野球選手権記念大会が、5日から甲子園球場で幕を開けた。今大会は第100回記念大会ということもあり、出場校が56校に拡大。激戦区の県では2校が代表となる。

ここでは、今夏の甲子園に出場する全56校のOBたちの中から、現在パ・リーグに在籍している選手をリストアップ。すでに敗退した高校もあるが、大まかに6地区に分けて紹介するとともに、とりわけ存在感を放っている高校について言及したい。

北海道・東北

<北北海道:旭川大>
なし
<南北海道:北照>
吉田雄人外野手(オリックス)
齋藤綱記投手(オリックス)
<青森:八戸学院光星>
田村龍弘捕手(千葉ロッテ)
田城飛翔外野手(福岡ソフトバンク)
<秋田:金足農業>
なし
<岩手:花巻東>
菊池雄星投手(埼玉西武)
岸里亮佑外野手(北海道日本ハム)
千葉耕太投手(東北楽天)
<宮城:仙台育英>
上林誠知外野手(福岡ソフトバンク)
佐藤世那投手(オリックス)
平沢大河内野手(千葉ロッテ)
西巻賢二内野手(東北楽天)
<山形:羽黒高校>
なし
<福島:聖光学院>
横山貴明投手(東北楽天)
園部聡内野手(オリックス)
八百板卓丸外野手(東北楽天)

東北勢では多くの常連校が出場を決めたため、菊池投手、田村選手、上林選手ら主力を張る選手たちがリストに名を連ねている。仙台育英出身の4選手はいずれも高校時代からその才能が注目されていた逸材で、今季は上林選手に続いて平沢選手も若くしてレギュラーの座をつかみつつある。

東北勢初の全国制覇まであと一歩に迫った際のエースだったオリックスの佐藤投手、高卒新人ながら早くも一軍デビューを果たしている東北楽天の西巻選手とともに、今後はより一層の活躍が期待される。

関東

<茨城:土浦日大>
なし
<栃木:作新学院>
岡田幸文外野手(千葉ロッテ)
石井一成内野手(北海道日本ハム)
今井達也投手(埼玉西武)
<群馬:前橋育英>
髙橋光成投手(埼玉西武)
神戸文也投手(オリックス)
<北埼玉:花咲徳栄>
根元俊一内野手(千葉ロッテ)
若月健矢捕手(オリックス)
愛斗外野手(埼玉西武)
岡﨑大輔内野手(オリックス)
西川愛也内野手(埼玉西武)
<南埼玉:浦和学院>
豊田拓矢(埼玉西武)
坂本一将内野手(オリックス)
榊原翼投手(オリックス)
<東千葉:木更津総合>
なし
<西千葉:中央学院>
なし
<東東京:二松学舎大付>
なし
<西東京:日大三>
関谷亮太投手(千葉ロッテ)
吉田裕太捕手(千葉ロッテ)
山﨑福也投手(オリックス)
横尾俊建内野手(北海道日本ハム)
<北神奈川:慶應高校>
白村明弘投手(北海道日本ハム)
<南神奈川:横浜高校>
涌井秀章投手(千葉ロッテ)
髙濱卓也内野手(千葉ロッテ)
近藤健介捕手(北海道日本ハム)
淺間大基外野手(北海道日本ハム)
髙濱祐仁内野手(北海道日本ハム)
藤平尚真投手(東北楽天)
増田珠内野手(福岡ソフトバンク)
<山梨:山梨学院>
明石健志内野手(福岡ソフトバンク)

この中ではやはり、近藤選手や涌井投手をはじめ7人の現役選手を輩出している横浜高校の充実ぶりが目を引く。しかし、それに次ぐ5選手を送り出している花咲徳栄高校も、近年の躍進がそのままドラフト結果に反映されつつある格好だ。

若月選手や埼玉西武の若手2人のように、今後の飛躍に期待の持てる選手も多く、今後はプロでも多くの成功者を輩出していく高校となるかもしれない。

また、春夏通じて3度の全国優勝を経験している日大三高も、千葉ロッテでたびたび同学年バッテリーを組む関谷投手と吉田選手を含む4名を輩出。前橋育英高校と作新学院ではそれぞれ甲子園で優勝投手となった高橋光投手と今井投手が同じ埼玉西武に入団しており、若き両右腕の今後の活躍にも期待が集まる。

北陸・中部

<新潟:中越>
渡邉雄大投手(福岡ソフトバンク)
<長野:佐久長聖>
なし
<富山:高岡商業>
なし
<石川:星稜>
島内宏明外野手(東北楽天)
森山恵佑外野手(北海道日本ハム)
岩下大輝投手(千葉ロッテ)
<福井:敦賀気比>
山田修義投手(オリックス)
吉田正尚外野手(オリックス)
玉村祐典投手(埼玉西武)
平沼翔太内野手(北海道日本ハム)
山﨑颯一郎投手(オリックス)
<静岡:常葉菊川>
なし
<東愛知:愛産大三河>
なし
<西愛知:愛工大名電>
十亀剣投手(埼玉西武)
谷口雄也外野手(北海道日本ハム)
<岐阜:大垣日大>
なし

圧倒的な打撃力を武器に2015年の甲子園を制した敦賀気比高校が、近年の勢いそのままに5人の選手をパ・リーグへと送り出した。当時の優勝投手だった平沼選手は、プロでは打撃センスを買われて内野手としてプレーしており、今季は20歳の若さで一軍スタメン出場を果たすなど、成長ぶりを垣間見せている。

JR東日本での活躍によってドラフト1位指名を手繰り寄せた十亀投手は、愛工大名電出身。2005年にセンバツで優勝を経験しているが、当時はエースではなく控えだった。

星稜高校では東北楽天の主力・島内選手に加え、2014年、9回8点ビハインドから逆転で甲子園出場を決めた時のエースだった岩下投手も、怪我を乗り越え今季プロ初登板を果たしており、現在アピールを続けている最中だ。

近畿

<滋賀:近江>
なし
<三重:白山>
なし
<京都:龍谷大平安>
炭谷銀仁朗捕手(埼玉西武)
酒居知史投手(千葉ロッテ)
<北大阪:大阪桐蔭>
中村剛也内野手(埼玉西武)
中田翔内野手(北海道日本ハム)
岡田雅利捕手(埼玉西武)
浅村栄斗内野手(埼玉西武)
江村直也捕手(千葉ロッテ)
森友哉捕手(埼玉西武)
香月一也内野手(千葉ロッテ)
高山優希投手(北海道日本ハム)
澤田圭佑投手(オリックス)
山足達也内野手(オリックス)
<南大阪:近大付属>
なし
<東兵庫:報徳学園>
山崎勝己捕手(オリックス)
大谷智久投手(千葉ロッテ)
田村伊知郎投手(埼玉西武)
<西兵庫:明石商業>
なし
<奈良:奈良大附属>
なし
<和歌山:智弁和歌山>
西川遥輝外野手(北海道日本ハム)

近年の高校野球界を席巻している大阪桐蔭が、全国を見渡しても最多となる10人のパ選手を輩出し、改めてその存在感を示している。埼玉西武「カルテット」をはじめ、北海道日本ハムの4番を務める中田選手や、オリックスで中継ぎとして活躍した澤田投手など、ОBは量も質も兼ね備える。西の横綱としての圧倒的な実績は、やはり伊達ではない。

最激戦区と名高い近畿には伝統校が数多く存在しており、龍谷大平安高校、報徳学園、智弁和歌山高校といった優勝経験校が今大会にも出場を果たしている。それぞれ炭谷選手、大谷投手、西川選手とチームの主力として活躍する選手たちをプロに送り出しており、いずれも名門としての確かな存在感を放っている。

中国・四国

<鳥取:鳥取城北>
藤原良平投手(埼玉西武)
<岡山:創志学園>
難波侑平内野手(北海道日本ハム)
<島根:益田東>
なし
<広島:広陵>
有原航平投手(北海道日本ハム)
吉持亮汰内野手(東北楽天)
上原健太投手(北海道日本ハム)
福田周平内野手(オリックス)
<山口:下関国際>
宮﨑敦次投手(千葉ロッテ)
<香川:丸亀城西>
なし
<徳島:鳴門>
なし
<愛媛:済美>
安樂智大投手(東北楽天)
<高知:高知商>
なし

甲子園でもたびたび印象的な活躍を披露している広陵高校が、中国・四国では最多となる4人の現役選手をパ・リーグに送り出している。

2015年の新人王に輝いた有原投手や、今季は新人ながらチームの主力として活躍している福田選手といった実力者を多く輩出しており、ここでも長きにわたって広島の高校野球界をけん引している理由のひとつを感じさせる。

済美高校が2013年にセンバツで準優勝を果たしたときのエースである安樂投手は、プロでも将来のエース候補として期待される存在のひとり。ほか、鳥取城北、創志学園、下関国際といった高校も、それぞれ1人ずつパ・リーグ戦士を輩出している。

九州・沖縄

<北福岡:折尾愛真>
なし
<南福岡:沖学園>
久保裕也投手(東北楽天)
<佐賀:佐賀商業>
田中豊樹投手(北海道日本ハム)
<長崎:創成館>
なし
<熊本:東海大星翔>
なし
<大分:藤蔭>
なし
<宮崎:日南学園>
寺原隼人投手(福岡ソフトバンク)
<鹿児島:鹿児島実業>
本多雄一内野手(福岡ソフトバンク)
野田昇吾投手(埼玉西武)
<沖縄:興南高校>
島袋洋奨投手(福岡ソフトバンク)
大城滉二内野手(オリックス)
高良一輝投手(北海道日本ハム)
(島井寛仁外野手(東北楽天)※2年春から西原高校へ編入)

久保投手の母校・沖学園は今年、悲願の甲子園初出場・初勝利を決めた。戦力外、血行障害を乗り越えて都の杜で復活を果たしたプロ16年目の大ベテランは、夢舞台に臨む母校をどのような思いで見つめるのだろうか。

名門の日南学園と佐賀商業も1人ずつ現役選手を輩出しているが、それぞれ34歳のベテラン・寺原投手と、24歳とまだまだこれからの若手右腕・田中豊投手という対照的な2人となっているのが興味深い。

同じく古豪の鹿児島実業は元盗塁王の本多選手と、埼玉西武で中継ぎ左腕として活躍中の野田投手という主力級の選手2人を輩出し、今なお球界に確かな存在感を示している。

2010年に甲子園春夏連覇を果たし旋風を巻き起こした興南高校は、当時の主力だった島袋投手と大城選手を含む3名の出身選手が、パ・リーグに籍を置いている。24歳の高良投手もアマチュア時代に高い評価を受けていた若手右腕であり、主力に定着している大城選手、支配下への返り咲きを目指す島袋投手とともに、今後が楽しみな存在だ。

甲子園で出色の活躍を見せた選手は、高校野球のスターとして人々の記憶にも残り続ける。記念すべき第100回大会でも、夢の舞台で一躍名を挙げて、プロへの扉をこじ開ける選手は現れるだろうか。今大会も、上記のリストに名を連ねた先達たちのように、後にプロ入りを果たす逸材の勇躍を目にするための大きな機会となりそうだ。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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