楽天・則本投手がプロ野球新記録を樹立! 平成のドクターKたちの通算2ケタ奪三振試合数は?

パ・リーグ インサイト 藤原彬

2017.6.1(木) 00:00

東北楽天ゴールデンイーグルス・則本昂大投手(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・則本昂大投手(C)パーソル パ・リーグTV

則本投手(楽天)が6月1日の巨人戦に登板し、2回までにわずか1三振とスロースタートとなったが、3回と8回に圧巻の3者連続三振。8回、12奪三振、2失点で7試合連続2ケタ奪三振のプロ野球記録を打ち立てた。ここでは歴史に名を刻んだ則本投手と、それに匹敵するくらいの記録を達成した投手たちの連続試合2ケタ奪三振期間中の試合別詳細を振り返る。

※○は勝利投手、●は敗戦投手、‐は勝敗つかず

【7試合】
2017年 則本昂大投手(楽天)
4月19日 埼玉西武戦(メットライフドーム) ‐ 8回 10奪三振
4月26日 千葉ロッテ戦(Koboパーク宮城) ○ 7回 10奪三振
5月3日 オリックス戦(Koboパーク宮城) ○ 8.0回 12奪三振
5月10日 千葉ロッテ戦(Koboパーク宮城) ○ 9回(完封) 12奪三振
5月17日 北海道日本ハム戦(盛岡) ○ 7回 12奪三振
5月25日 オリックス戦(ほっと神戸) ○ 8回 10奪三振
6月1日 巨人戦(koboパーク宮城) ○ 8回 12奪三振

【6試合連続】
1991年 野茂英雄投手(近鉄)
4月7日 日本ハム戦(東京ドーム) ● 9回(完投) 11奪三振
4月14日 ロッテ戦(川崎) ● 8回(完投) 10奪三振
4月20日 西武戦(藤井寺) ○ 9回(完投) 10奪三振
4月27日 オリックス戦(藤井寺) ○ 9回(完投) 10奪三振
5月4日 西武戦(西武) ● 6回 10奪三振
5月9日 日本ハム戦(静岡) ● 8回(完投) 10奪三振

【5試合連続】
1990年 野茂英雄投手(近鉄)
7月30日 日本ハム戦(藤井寺) ○ 9回(完投) 10奪三振
8月5日 西武戦(西武) ● 8回(完投) 10奪三振
8月11日 ロッテ戦(藤井寺) ○ 9回(完投) 12奪三振
8月18日 日本ハム戦(盛岡) ● 8回(完投) 10奪三振
8月24日 オリックス戦(神戸) ○ 9回(完投) 10奪三振

1993年 野茂英雄投手(近鉄)
6月12日 オリックス戦(長岡) ○ 8回 11奪三振
6月18日 日本ハム戦(藤井寺) ○ 9回(完封) 11奪三振
6月25日 福岡ダイエー戦(福岡ドーム) ● 8回(完投) 10奪三振
7月1日 西武戦(西武) ● 8回(完投) 10奪三振
7月7日 福岡ダイエー戦(藤井寺) ○ 9回(完投) 13奪三振

2009年 杉内俊哉投手(福岡ソフトバンク)
8月23日 北海道日本ハム戦(ヤフードーム) ○ 9回(完投) 15奪三振
8月30日 北海道日本ハム戦(札幌ドーム) ○ 7回 10奪三振
9月6日 埼玉西武戦(ヤフードーム) ○ 8回 11奪三振
9月13日 楽天戦(ヤフードーム) ○ 9回(完投) 11奪三振
9月20日 埼玉西武戦(西武ドーム) ● 6.2回 10奪三振

2010年 ダルビッシュ有投手(北海道日本ハム)
3月20日 福岡ソフトバンク戦(札幌ドーム) ● 9回(完投) 13奪三振
3月27日 千葉ロッテ戦(千葉マリン) ‐ 6回 11奪三振
4月3日 埼玉西武戦(札幌ドーム) ○ 8回 11奪三振
4月10日 福岡ソフトバンク戦(ヤフードーム) ○ 8回 12奪三振
4月17日 埼玉西武戦(西武ドーム) ○ 7回 10奪三振

2014年 能見篤史投手(阪神)
5月16日 横浜DeNA戦(甲子園) ● 8回 11奪三振
5月24日 福岡ソフトバンク戦(ヤフオクドーム) ○ 6回 13奪三振
5月31日 北海道日本ハム戦(札幌ドーム) ‐ 8回 10奪三振
6月6日 オリックス戦(甲子園) ‐ 7.1回 10奪三振
6月14日 埼玉西武戦(西武ドーム) ● 6回 10奪三振

記録継続中の投球内容で特筆すべきは、則本投手の勝ち星の多さだ。奪三振の多さが必ずしも勝ちに結び付くとは限らないが、則本投手はその登板のほとんどでチームを勝利に導いている。先発投手と救援投手の分業制が進んだ現在。則本投手は1990年代前半に活躍した野茂投手より投球回で見劣りするが、その分、奪三振の割合も高くなっているのが特徴だ。ただし、野茂投手が6試合連続2ケタ奪三振を記録した1991年のパ・リーグの打者全体の三振率は14.9%で、今季の18.0%とは違いがあった。今よりも三振が多くなかった時代に記録を作ったのだから、やはり野茂投手の奪三振能力はずば抜けていたと言える。奪三振が代名詞だった野茂投手は新人だった1990年に27試合に先発し、そのうちの21試合で2ケタ奪三振(プロ野球記録)を達成した。恐ろしい割合ではあるが、現在の則本投手のペースであれば追い付き、追い越すことも夢ではない。

上記の投手の通算2ケタ奪三振試合数は、野茂投手が通算134先発で達成した70試合が最多となっている。NPB在籍わずか5年でのこの記録はアンタッチャブルの領域だが、同じく今季が5年目となる則本投手は117先発中28試合とあって、キャリアを積み重ねれば杉内投手の60試合(309先発)やダルビッシュ投手の52試合(164試合)も視界に入ってきそうだ。奪三振にまつわる様々な記録を掘り起こす則本投手は、これらの記録にどこまで迫ることができるか。今後の投球にも注目していきたい。

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パ・リーグ インサイト 藤原彬

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