楽天と北海道日本ハムの2戦目は、盛岡市の岩手県営野球場で行われる。楽天の先発はエース・則本投手。昨年の盛岡市での試合では、4回10失点を喫して敗戦投手となるなど不本意な結果に終わった。今年こそ、盛岡のファンに本来の爽快な投球を披露したい。
対する北海道日本ハムの先発は加藤投手。今季初登板となった4月5日の試合以外は、一貫して安定した投球を続けており、現在防御率はリーグ3位の1.93を誇る。投打ともに復調の兆しが見えてきたチームの希望を繋ぎたい。
初回から、北海道日本ハム打線が猛攻を開始し、則本投手の立ち上がりを攻め立てる。1死から2番・岡選手が三塁打を放ち、続く近藤選手が四球を選んで1死1,3塁の好機を作ると、4番・中田選手が、則本投手の初球を捉えて左翼席への先制3ラン。「(則本投手は)そう簡単に点を取れるピッチャーじゃないからね。加藤のためにも点を取ってあげたかった」と語る主砲の一振りで3点を先取すると、さらに2死から6番・田中賢選手が安打で出塁。そして、7番・大田選手も、左中間席への2ランを放つ。北海道日本ハムはこの回一挙5得点を奪い、早くも試合の流れを引き寄せた。
しかし、2回裏、楽天打線がリーグ首位の強さを存分に見せつける。先頭の銀次選手が安打を放ち、6番・島内選手が四球を選んで無死1,2塁の場面。1死から8番・藤田選手が適時打を放って、まずは1点を返すと、2死1,2塁から、1番・茂木選手が中前へ適時打を決めて2対5とする。そして続くペゲーロ選手、3番・ウィーラー選手、4番・アマダー選手ら、外国人選手が連続適時打。失策も絡んでここで同点となるが、さらに5番・銀次選手が勝ち越し打を放ち、ついにスコアは6対5。打者一巡の猛攻で、楽天が一気に逆転に成功する。
その後3回表からは、立ち直った則本投手と、北海道日本ハム救援陣の小刻みな継投による投手戦が繰り広げられ、1点差のままスコアボードには0が並ぶ。
再度試合が動いたのは7回裏。1死から8番・藤田選手が安打を放って出塁すると、9番・嶋選手が犠打を成功させて2死2塁。そして続く茂木選手と2番・ペゲーロ選手が連続適時打を決め、スコアを8対5とすると、3番・ウィーラー選手が3試合連続となる2ランを放つ。投手戦から一転、一挙4点を追加して2桁得点を挙げ、楽天が北海道日本ハムを突き放した。
楽天の5点リードで迎えた8回表、北海道日本ハムは5番・レアード選手の犠飛で1点を返すものの、その裏、楽天打線が3度目の爆発力を見せる。先頭の銀次選手が四球を選び、続く島内選手が安打で、7番・岡島選手が失策で出塁し、無死満塁の絶好機。8番・藤田選手のゴロの間に3塁走者が生還し、まずは1点。1死1,3塁から9番・嶋選手と、1番・茂木選手が連続適時打を放つ。さらに2死2,3塁から代打・三好選手が追い打ちをかけ、スコアは15対6となった。
最終回は菅原投手が四球こそ出すものの無失点で締め、試合は20安打15得点という大爆発を見せた楽天が、北海道日本ハムに勝利。茂木選手、ウィーラー選手、銀次選手、藤田選手の4人が3安打猛打賞を達成し、ペゲーロ選手に至っては4安打。茂木選手とウィーラー選手はそれぞれ3打点ずつを挙げた。
5点ビハインドから、驚異的な粘りを見せつけた楽天打線。初回に大量得点を奪われたものの、すぐに切り替えてエースらしい立ち直りを果たし、史上5人目の5試合連続2桁奪三振を達成した則本投手。そして、相変わらず鉄壁を誇る救援陣。盛岡のファンの前で、リーグ首位に相応しい劇的な逆転勝利を飾った。
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