【試合戦評】両軍の投手陣が踏ん張り、12回引き分けに終わる。

パ・リーグ インサイト

2017.4.28(金) 00:00

埼玉西武の「背番号16」。かつて、松沼雅之氏や潮崎哲也現2軍監督が現役時代に長らくつけていた伝統ある背番号であり、今日の試合は埼玉西武・菊池投手と千葉ロッテ・涌井投手の新旧の「背番号16」対決となった。

1,2回は両投手が持ち味を存分に発揮し、テンポ良く進んでいくも、3回裏に試合が動く。先頭の秋山選手がカウント1-2と追い込まれながらも外角高めのフォークを逆方向へ運び、フェンス直撃の二塁打で出塁する。続く源田選手の内野安打で無死1,3塁とすると、浅村選手の併殺打の間に秋山選手が生還。埼玉西武が先制点をもぎ取る。

菊池投手が5回までに許した安打は1安打のみ。前回登板の1安打完封を彷彿させる完璧な投球を披露する。一方、千葉ロッテの涌井投手は走者を背負いながらも、要所を締める投球。緊迫した投手戦が展開され、1対0と埼玉西武の1点リードで後半へ進んでいく。

落ち着きを見せ始めた試合が6回表に再び動き始める。安打と失策が絡み1死1,2塁とこの日初の好機を千葉ロッテが生むと、2番・荻野選手が低めの変化球にうまくタイミングを合わせ、右翼線を破る適時二塁打。「自分も結果が出ていなかったし、何とか食らいついていこうと必死でした」という荻野選手の今季初打点を記録する適時打で1点差に。さらに、2死から敵失の間に走者が生還し、千葉ロッテが試合をひっくり返す。

しかし、直後の6回裏、無死1,3塁から7番・外崎選手の併殺崩れの間に3塁走者が生還。埼玉西武が同点に追い付き、どちらが主導権を握るか分からないまま、試合が進んでゆく。

両先発が互いに7回2失点でマウンドを降り、中継ぎ陣へ後を託す。埼玉西武は8回をシュリッター投手、9回を守護神・増田投手が完璧に1イニングずつを抑え、千葉ロッテも8回、9回を無失点で凌ぎ、試合は延長戦へと突入。しかし、以降は両チームともに決め手を欠き、互いに譲らずに2対2のまま試合終了。新旧「16番対決」は痛み分けの引き分けに終わった。

この試合は両チームの投手陣が踏ん張りを見せた試合となった。特に救援陣は全員無失点に抑える好投。これは今後シーズンを戦っていく上での収穫といえるのではないだろうか。さらに、新戦力の活躍も目覚しい。千葉ロッテ・有吉投手、埼玉西武・シュリッター投手は今季より救援陣に加わり、互いに防御率0.00。今後もチームを引っ張っていく投手となっていくだろう。

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