交流戦最高勝率東京ヤクルト、石山泰稚&近藤一樹が大活躍も…MVPはパから選出、候補は?

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2018.6.18(月) 11:12

東京ヤクルト・石山泰稚と近藤一樹(左から)【写真:荒川祐史】
東京ヤクルト・石山泰稚と近藤一樹(左から)【写真:荒川祐史】

勝ち越しリーグの勝率1位はオリックス、埼玉西武、福岡ソフトバンク、千葉ロッテに可能性

3週間に及んだ熱き戦いは、ひとまずの決着を見た。17日、首位に立っていた東京ヤクルトが敵地・札幌ドームで北海道日本ハムに快勝し、球団史上初の交流戦最高勝率球団に輝いた。雨天中止によって振り替えとなった試合がまだ残っているものの、その試合の結果にかかわらず、東京ヤクルトが最高勝率となることが決まった。

東京ヤクルトが北海道日本ハムに勝利する前に、2位タイの福岡ソフトバンクが広島に、埼玉西武が中日にそれぞれ敗戦。東京ヤクルトとの差は2ゲームに広がり、追い抜くことができなくなった。福岡ソフトバンク、埼玉西武と並んでいたオリックスはDeNAに勝利したものの、東京ヤクルトとオリックスが並んだ場合でも当該対決でヤクルトが勝ち越しているために、東京ヤクルトが上位となる。

その一方で、この日はパ・リーグ3勝、セ・リーグ3勝となり、両リーグの成績はパ・リーグの52勝に対し、セ・リーグは44勝。まだ振り替えの試合6試合が残るものの、これにセ・リーグが全勝しても、パ・リーグの勝ち星を抜けないため、パ・リーグの9年連続での勝ち越しも決まった。

勝率1位球団の所属リーグと、勝ち越しリーグが異なるのは、14回の交流戦の歴史で2度目。2014年、パ・リーグが勝ち越したものの、勝率1位はセ・リーグの巨人だった。

さて、交流戦で初めて最高勝率球団に輝いた東京ヤクルト。特にこの期間中は投手の奮闘が目立った。17日に勝利投手となった小川泰弘が3試合に投げて、3試合全てでクオリティースタート(QS、6回以上を投げて自責3以内)を達成。2勝0敗、防御率1.42の好成績をマーク。カラシティーは中継ぎだけで3勝をあげた。さらに凄かったのは、セットアッパーの近藤一樹と、守護神の石山泰稚。近藤は8試合で1勝6ホールド1セーブ、防御率0.00。石山は1勝7セーブで、こちらも防御率0.00だった。

いずれも輝かしい成績でMVPにもふさわしい成績だが、残念ながら東京ヤクルトからMVPが選ばれることはない。交流戦の開催規定では「勝越しリーグの勝率1位球団から1名を『日本生命セ・パ交流戦MVP』として選出」と定められてる。つまりはパ・リーグの勝率1位球団、現時点ではオリックスから選ばれるということになる。

パ・リーグ内での最高勝率の可能性を残しているのは17試合で11勝6敗のオリックス、そして10勝7敗で並ぶ埼玉西武、千葉ロッテ、福岡ソフトバンクの4球団である。

では、残り1試合を残した段階で、MVPの候補となりそうな活躍を見せた選手は誰になるのか。その行方を占ってみたい。

パ・リーグ勝率1位の可能性を残す4球団のMVP候補は…

○オリックス
山本由伸 9試合1勝0敗7ホールド0セーブ 防1.00
増井浩俊 9試合0勝0敗2ホールド6セーブ 防0.00
吉田正尚 17試合65打数25安打3本塁打9打点 打率.385

投手では金子千尋、西勇輝、アンドリュー・アルバースの3人が3試合に投げて2勝ずつマークしているものの、上に挙げた3人の貢献度はやはり高い。19歳の新星・山本は9試合に投げて1勝7ホールド、防御率1.00をマークしてセットアッパーとして活躍。守護神の増井は9試合に投げて2ホールド6セーブをあげて1点も失っていない。

○埼玉西武
カスティーヨ 4試合3勝1敗0ホールド0セーブ 防3.63
秋山翔吾 17試合75打数27安打3本塁打14打点 打率.360
山川穂高 17試合68打数21安打5本塁打17打点 打率.309

埼玉西武はチームカラー通りに打者の活躍が際立つ。秋山はリードオフマンとして打率.360をマークしているだけでなく、3本塁打14打点もマーク。山川は5本塁打17打点と高い数字を残した。浅村もチームトップの18打点を記録しているが、秋山、山川の方が上か。カスティーヨは危険球退場があったため、12球団で唯一4試合に先発して3勝を挙げている。

○福岡ソフトバンク
上林誠知 17試合67打数19安打6本塁打16打点 打率.284
加治屋蓮 11試合1勝0敗7ホールド0セーブ 防1.80
森唯斗 9試合0勝0敗0ホールド7セーブ 防1.00

福岡ソフトバンクは若い選手が奮闘した。上林は12球団でトップタイとなる6本塁打を放ちチームに貢献。苦しい台所事情にあって加治屋は最多の11試合に投げて防御率1.80、サファテの代役守護神を務める森は9試合で12球団トップタイの7セーブをマークしている。

○千葉ロッテ
ボルシンガー 3試合3勝0敗0ホールド0セーブ 防1.96
石川歩 3試合3勝0敗0ホールド0セーブ 防0.83
松永昂大 11試合0勝0敗8ホールド0セーブ 防1.00
角中勝也 17試合64打数25安打1本塁打10打点 打率.391

千葉ロッテは先発投手が素晴らしかった。石川、ボルシンガーともに3戦全勝、3試合全てでQSを達成し、安定感も抜群だった。セットアッパーの松永は最多の11試合に登板し、わずか1失点。打者では打率トップの.391をマークしている角中が候補になるだろう。
 
東京ヤクルトが交流戦最高勝率球団に輝いたものの、まだ戦いは終わらない。勝ち越しリーグの最高勝率球団となれば、東京ヤクルトを上回る賞金1000万円を手にし、MVPが選出される権利を得る。果たして栄冠を手にするのは誰になるだろうか。

記事提供:Full-Count

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