リーグ2位でも最下位!? 先発投手のQSから見える球団の戦い方

Full-Count 広尾晃

2018.6.7(木) 15:37

千葉ロッテマリーンズ・石川歩投手(C)PLM
千葉ロッテマリーンズ・石川歩投手(C)PLM

チーム別ではオリと阪神がリーグトップ、一方でホークスは…

QS(QualtyStart)とは、先発投手が6回以上投げて、自責点3以内に抑えることを言う。先発投手の最低限の仕事とされる。また、HQS(HighQualtyStart)とは先発投手が7回以上投げて、自責点2以内に抑えること。HQSは「好投」の基準だ。QS、HQSからは各球団の先発投手の状態と、起用方針をうかがうことができる。

各球団の6月6日時点でのQS数、HQS数を見ていこう。

パ・リーグ

オリックス55試合 QS33(60.0%) HQS10(18.2%)
北海道日本ハム54試合 QS32(59.3%) HQS21(38.9%)
埼玉西武52試合 QS31(59.6%) HQS13(25.0%)
福岡ソフトバンク53試合 QS26(49.1%) HQS15(28.3%)
楽天54試合 QS26(48.1%) HQS11(20.4%)
千葉ロッテ53試合 QS25(47.2%) HQS10(18.9%)

このところ好調のオリックスが33QSで1位、僅差で北海道日本ハム、埼玉西武が追う。ただしオリックスはQS数は1位だが、HQS数は5位、抜群の成績を挙げた先発は少ない。HQS数では北海道日本ハムが1位。福岡ソフトバンクはQS数は全試合数の半分以下だ。

セ・リーグ

阪神51試合 QS32(62.7%) HQS18(35.3%)
広島52試合 QS28(53.8%) HQS12(23.1%)
中日55試合 QS28(50.9%) HQS14(25.5%)
巨人54試合 QS24(44.4%) HQS16(29.6%)
東京ヤクルト51試合 QS21(41.1%) HQS7(13.7%)
横浜DeNA50試合 QS16(32.0%) HQS5(10.0%)

阪神がQS数は1位、HQS数も1位。先発投手は最も充実している。QS率では広島は2位。特徴的なのは横浜DeNAだ。リーグ順位は2位だが、QS数、HQS数は最下位。ラミレス監督は先発投手を早い回で引き揚げ、継投策で戦っているのだ。MLBではこういう戦い方が主流になっている。大エースがいないチームではこういう戦い方も有効だ。

個人のQS、HQSランキングは…

QS数10傑

パ・リーグ

1石川歩(ロ) 9QS(5HQS)
2マルティネス(日) 8QS(5HQS)
2岸孝之(楽) 8QS(4HQS)
4上沢直之(日) 7QS(7HQS)
4多和田真三郎(西) 7QS(4HQS)
4西勇輝(オ) 7QS(4HQS)
4アルバース(オ) 7QS(2HQS)
4山岡泰輔(オ) 7QS(1HQS)
4ボルシンガー(ロ) 7QS(1HQS)
10則本昂大(楽) 6QS(5HQS)
10十亀剣(西) 6QS(4HQS)
10高梨裕稔(日) 6QS(4HQS)
10石川柊太(ソ) 6QS(3HQS)
10榎田大樹(西) 6QS(2HQS)
10辛島航(楽) 6QS(1HQS)

昨年は不振だった千葉ロッテの石川歩が10登板で9QSと抜群の安定感。続いて北海道日本ハムのマルティネスと楽天の岸。北海道日本ハムの上沢は10登板で7QSだが、すべてがHQSとなっている。

セ・リーグ

1メッセンジャー(神) 9QS(6HQS)
2菅野智之(巨) 8QS(7HQS)
2ブキャナン(ヤ) 8QS(5HQS)
2大瀬良大地(広) 8QS(3HQS)
5秋山拓巳(神) 7QS(5HQS)
5東克樹(De) 7QS(3HQS)
7岡田明丈(広) 6QS(2HQS)
8山口俊(巨) 6QS(5HQS)
8ガルシア(中) 6QS(4HQS)
8ジョンソン(広) 6QS(3HQS)
8小笠原慎之介(中) 6QS(2HQS)

阪神メッセンジャーと巨人菅野、毎年のように先発投手の主要指標でトップ争いをする両エースが上位に来る。菅野の7HQSはリーグ1位。阪神は秋山も7QSだ。広島は大瀬良の8QSに続き、ジョンソン、岡田が6QS。横浜DeNAは新鋭の東が7QSだが、それに続くのはウィーランド、石田建大の3QSだ。

QSが多い先発投手は、信頼感が高い。また救援投手への負担を下げるという意味でも貢献度が高い。過酷な夏に向けて、先発投手のQS数はどのように変化するか、注目していきたい。

記事提供:Full-Count

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