二刀流で躍進する大谷翔平、注目されるエンゼルスの起用法
ここまで野手として32試合、投手として8試合に出場しているエンゼルス大谷翔平。打者としては3割を切り、打率.282となったが、ここまでチーム4位タイの6本塁打、チーム5位の20打点を記録しており、貢献度は大きい。一方、投手としても4勝1敗、防御率3.18と好成績を残している。
そんな二刀流右腕の起用法について、エンゼルスが慎重に検討している様子を米経済誌「フォーブス」電子版が特集した。「ショウヘイ・オオタニの右肘は、エンゼルスによって注意深く管理されている」との見出しで伝えたのは名物コラムニストとしても知られるバリー・ブルーム記者だ。
エンゼルスのマイク・ソーシア監督は2日(日本時間3日)のレンジャーズ戦前、大谷の次回登板が6日(同7日)のロイヤルズ戦となることを改めて示唆。今後順調に調整が進めば、先月30日(同31日)のタイガース戦以来、中6日での登板となる。一方、そのタイガース戦は中9日の登板だった。
これを受け、ブルーム記者は球団側が大谷の右肘の靭帯への影響を踏まえて投手としての負担を管理していると指摘。もしトミー・ジョン手術となれば、12~18か月の休養が必要となることにも触れている。
ソーシア監督「現時点では上手くいっている」
記事では、ソーシア監督が「最も大きな点は、日本出身の投手の多くが週1回の登板に慣れており、また健康面での問題を抱えていることだ。その点を我々は注視していかなければならない」と語っていることも紹介している。
ブルーム記者は、大谷がエンゼルス入団直後に右肘靭帯の軽度の損傷があったことが報じられたことに触れつつ、「なぜエンゼルスがオオタニの起用を慎重に行っているかを理解するのは簡単なことであろう。コンセプトとしては週1回の登板させることだが、そのペースからも遅れをとっている」とレポート。田中将大投手との投げ合いが注目された先月27日(同28日)のヤンキース戦の登板回避も「エンゼルスはその決定についてはっきりとした理由を示していない」と指摘し、球団側が慎重に起用している様子を伝えている。
一方、記事によると、ソーシア監督は「オオタニの扱い方には明確なテンプレートがある。しかし、我々はもちろん慎重過ぎるほど慎重に、ショウヘイが打者としても投手としても最大限に戦えるようにしたい。調整し、フレキシブルでいたい。そして現時点ではそれが上手くいっていると思う」と手応えを口にしているという。
メジャーは移動も日程も過酷であり、シーズンを通してコンディションを維持することは困難。大谷はメジャー1年目にして開幕から存在感を放っているが、好不調の波がこれまで以上に出てくる可能性もあり、その活躍にはチームの起用法も大きなカギを握る。
新天地を好スタートを切った23歳はシーズンを通して二刀流を貫くことができるか。その動向には米国でも大きな関心が寄せられている。
記事提供: