パ・リーグ通算1000勝達成記念! 交流戦名場面プレイバック(前編)

パ・リーグ インサイト 藤原彬

2018.6.3(日) 20:42

1000勝目の立役者となったオリックス・バファローズ マレーロ選手(C)PLM
1000勝目の立役者となったオリックス・バファローズ マレーロ選手(C)PLM

6月3日、オリックスが巨人に勝利してパ・リーグが交流戦通算1000勝に到達した。シーズンも中盤に突入する時期の戦いは、リーグ内の潮目も変えかねないだけに、ペナントレースのターニングポイントともなり得る。ここでは、多くのドラマが紡がれてきた13年にわたる激闘から、メモリアルな試合を選り抜いてピックアップ。まずは交流戦がスタートした2005年から2011年までをお届けする。

【2005年】
◇5月11日 巨人-オリックス(東京ドーム) 4-4
分配ドラフトによりオリックスへ加入したJP氏が、パ・リーグの投手では14年ぶりとなるホームランを記録する。巨人の内海哲也投手から放ったソロ本塁打は、両軍スコアレスの均衡を破る値千金の一打だった。JP氏はこの年、チーム最多の14勝をマークする。

◇5月13日 西武対巨人(インボイスドーム) 6-1
西武の西口文也氏が9回2死までノーヒッターの快投を演じたが、あと1人の場面で巨人の清水隆行氏にライトスタンドへ弾丸ライナー弾を放り込まれる。同年の8月27日には楽天戦で9回をパーフェクトに封じたが、味方の援護がなく完全試合は幻に…。ただ、この年の西口氏は交流戦で両リーグ最多の6勝を記録して、シーズンでもキャリア最高の17勝を挙げた。

【2006年】
◇5月11日 横浜対楽天(横浜) 4-8
石井琢朗氏(横浜)が通算2000安打のマイルストーンに到達。大記録まであと1本で迎えた初回の第1打席、楽天の愛敬尚史氏が投じた変化球を足元に弾き返した打球はセンター前へと抜けていった。史上34人目の快挙を達成した石井氏は、同年にキャリア最多と並ぶ174安打を放っている。

◇5月25日 東京ヤクルト対楽天(神宮) 6-0
ガトームソン氏(東京ヤクルト)が交流戦史上初、史上72人目のノーヒットノーランを達成。球威抜群の速球を武器に、許した走者は四球と味方の失策による2人だけだった。打線は初回からラミレス氏の犠牲フライとラロッカ氏の2ランで幸先よく援護する。その後も5回のラミレス氏の2ランに続き、6回にはガトームソン氏が自らのバットでセンター前タイムリーを叩き出しダメ押し。外国人たちの活躍が光る試合だった。

◇6月8日 福岡ソフトバンク対巨人(ヤフードーム) 4-0
当時、球界最高投手の1人だった斉藤和巳氏(福岡ソフトバンク)が、その真髄を見せつけた。試合の中盤5回まで走者を許さず、6回に脇谷亮太選手(巨人)に初安打を打たれて完全試合はついえたものの、直後に牽制でアウトに仕留める。結局、斉藤氏は以降も巨人打線を封じ続けて打者27人の準完全試合を達成。ちなみに前月には、交流戦で他リーグの6球団から勝ち星を挙げた初の投手となっている。

【2007年】
◇6月8日 東京ヤクルト対北海道日本ハム(松山) 0-2
8回裏無死の場面で降雨コールドが決定。試合は成立し、北海道日本ハムが5月19日の福岡ソフトバンク戦から始まった連勝を球団史上最長の14まで伸ばした。結局、18勝5敗で交流戦優勝を飾り、MVPには5勝0敗の成績を残したグリン氏が選ばれている。勢いに乗ったチームは秋に球団史上初のリーグ連覇を達成した。

【2008年】
◇6月1日 福岡ソフトバンク対巨人(ヤフードーム) 5x-4
3対3のまま決着がつかず、延長戦に突入した10回にスピードキングが魅せた。10回に登板したクルーン氏(巨人)は先頭の松田宣浩選手(福岡ソフトバンク)を2ストライクに追い込むと、次に投じたアウトローのボール球で三振を奪う。スコアボードには「162km」が灯され、場内はどよめいた。当時日本最速のスピードボールがお披露目された後の12回裏、ホークスが2点を奪いサヨナラ勝ちを収めた。

【2009年】
◇6月11日 千葉ロッテ対広島(千葉マリン) 23-2
千葉ロッテが6回に打者20人で、いずれもプロ野球記録となる15得点、15打点、14連続得点を挙げた。3番の大松尚逸選手がこのイニングだけで3度も打席に立つなど、48分にも及ぶ猛攻。23安打で23得点を刻み、21点差は現在も交流戦史上最多の点差となっている。

◇6月14日 オリックス対東京ヤクルト(京セラドーム) 10-14
2対2の同点で迎えた5回に、東京ヤクルトがプロ野球記録となる11打数連続安打で10得点と一気に畳み掛けた。ガイエル氏と飯原誉士氏はこのイニングに2安打。1カ月後には、ギネス社からも世界記録に認定されている。

【2010年】
◇6月7日 東京ヤクルト対千葉ロッテ(神宮) 2-14
千葉ロッテ打線が7回に10人連続安打と火を噴いた。8番の南竜介氏からヒットパレードが開演し、金泰均氏の満塁弾を含む一挙10点を叩き出す。1点ビハインドで始まったこのイニングだったが、終わってみれば大勝だった。

◇6月7日 広島対オリックス(福山) 10-21
前述の千葉ロッテに続いて、同日にオリックス打線も6回に10人連続安打をマーク。リードオフの坂口智隆選手は1イニング2安打を記録した。チームは交流戦記録となる25安打を放って21得点。この日は北海道日本ハムも13得点を挙げており、パ・リーグのチームの打線が各地で大爆発した。

【2011年】
◇5月21日 福岡ソフトバンク対阪神(ヤフードーム) 2-9
福岡ソフトバンクが杉内俊哉投手の4安打完封で快勝。前日の同カードにも山田大樹投手が完封を飾っており、チームは18日のホールトン氏から続く3試合連続完封勝利を収めた。この年は交流戦で全球団に勝ち越して史上最高の勝率.818で2年ぶり3度目の優勝を果たすなど、前年のパ・リーグ王者がその強さを見せつけている。

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パ・リーグ インサイト 藤原彬

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