若手が躍動した「アジアゲートウェイ交流戦パワーシリーズ2017 in石垣島」での2試合

パ・リーグ インサイト

2017.2.12(日) 00:00

2月11日と12日の2日間にわたり、千葉ロッテとCPBLのLamigoモンキーズの交流試合「アジアゲートウェイ交流戦パワーシリーズ2017 in石垣島」が、石垣市中央運動公園野球場にて行われた。この交流試合は2014年と2016年にも開催されており、今回で3度目の実施となる。そこでここでは、交流試合の2試合で特に活躍した選手たちの様子を、簡単に振り返りたい。

第1試合で活躍したのは、なんといっても7番・遊撃でスターティングメンバーに入った平沢選手だ。千葉ロッテでは、昨季まで正遊撃手を務めていた鈴木選手が、今季から二塁にコンバートされることになり、空いた遊撃のポジション争いが白熱している。

平沢選手はまだ高卒2年目の19歳ながら、そのチーム内競争で1歩リード中。交流試合で遊撃手を任されたのも、首脳陣から期待をかけられているからこそだろう。平沢選手は、第1試合の5回裏、第2打席で、相手投手の2球目を捉えてチーム第1号ソロ。三塁打も放つなど持ち味である打撃力を存分にアピールした。

また、二塁を守っていた中村選手に代わり途中出場した三木選手も、7回裏、高めに浮いた球を見逃さず、スタンドの奥まで運ぶソロを放つ。三木選手はこれまで、堅実な守備が評価される一方で、打撃が今後の課題であるとされていた。このまま打棒の調子を維持し、激化する内野のポジション争いで存在感を発揮したいところだ。

第1試合の先発・大嶺祐投手のあとを受け、2番手として4回表から登板した二木投手も、この試合で活躍した選手の1人である。4回表、相手チームの4番、5番打者を難なく打ち取る。その後は2死から2連打を許したものの、無失点でピンチを切り抜けた。5回表は、アウトコースへのボールを効果的に使って要所を締め、2イニングス3奪三振、失点0と、上々の出来。

二木投手は昨季、7勝9敗、116回1/3、防御率5.34の成績だった。今季の目標には、一軍定着と2桁勝利の2つを掲げたが、この試合における投球は、プロ4年目の飛躍の予感を感じさせるものだったと言えるだろう。7回表に登板した信樂投手も、3人で攻撃を終わらせるなど、危なげない投球を披露している。

翌日行われた第2試合では、「幕張のアジャ」こと、井上選手が結果を出し、4番としての風格さえ漂わせた。1回表には、フェンス直撃の適時三塁打を放って一挙3点の先制に成功すると、次の打者の大嶺翔選手の大飛球で、自らも本塁に生還。さらに4回表には、中村選手と高濱選手の適時打に続いて適時二塁打を放ち、次世代の和製大砲としての可能性を大いに見せつけた。なおこの回チームは、新入団選手である三家選手も安打を放ち、打者一巡の猛攻で1イニング6得点を挙げている。

今季から、背番号を「00」から「32」に変更した高濱選手も、第2試合では4打数3安打と猛打賞の活躍。2打点を挙げて、本来の打力では頭一つ抜けているところをアピールした。

第2試合は、計7人の投手が登板した。散発の安打を許し、走者を出す場面も見られたが、終わってみれば全体で1失点。第1試合から引き続き2桁安打の頼もしさもさることながら、リーグ屈指の中継ぎ陣の磐石さと層の厚さは、春先でも変わらない。

特に、先発した関谷投手は順調な調整具合が窺えた。3イニングスを投げて、被安打2本、奪三振3、無失点。四死球が2つあったものの、右打者の外角へのコントロールに関して手応えを掴んだ。今季は二木投手らとともに、先発ローテーション争いに食い込みたい。

Lamigoモンキーズとの交流試合は、第1試合は4対10で千葉ロッテが敗戦。しかし12日の第2試合は、13対1で千葉ロッテが快勝した。1勝1敗の結果となったが、2試合とも、投打において若手選手が躍動。思うように結果が出せなかった選手も、実戦の空気を体感することで、乗り越えるべき課題が改めて明確になっただろう。千葉ロッテのチーム内のポジション争いは熾烈だが、競争相手が身近にいることで、追う方も追われる方も確たる目的意識を持って練習に臨むことができる。このままいい形で春季キャンプを消化し、新シーズンを駆け抜けたいところだ。

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