3,4月は19勝5敗
首位を快走する埼玉西武は、4月終了時点で19勝5敗、勝率.792、2位・北海道日本ハムに5.5ゲーム差をつけた。5月に入り、勝率は5割ながら5月10日終了時点で23勝9敗、2位・福岡ソフトバンクに4.5ゲーム差をつけて首位を快走中だ。
埼玉西武は3月30日の北海道日本ハムとの開幕戦で打線が15安打11得点を奪えば、エース・菊池雄星投手は7回を4安打2失点に抑え、11対2で快勝。開幕戦を制した埼玉西武は、ここから1991年以来27年ぶりとなる開幕8連勝を成し遂げた。
開幕から好調なチームを支えているのが強力な打線だ。1番・秋山翔吾選手がリーグ2位の打率.352、2番・源田壮亮選手も2番打者ながらリーグ4位の25打点、3番・浅村栄斗選手もリーグ2位の29打点、4番・山川穂高選手は打率.312、12本塁打、39打点。5番・森友哉選手もリーグ6位の打率.306を記録する。
下位打線も昨季レギュラーに定着した外崎修汰選手が、得点圏打率.462と勝負強さを発揮。現役最多、6度の本塁打王のタイトルを獲得している中村剛也選手(現在故障離脱中)、2014年に本塁打王に輝いたメヒア選手が8番を打つなど、12球団屈指の破壊力を誇る。
チームの数字を見ても、打率.287、201得点は両リーグでダントツ。打力に注目が集まりがちだが、走っても金子侑司選手が11盗塁、外崎修汰選手が8盗塁を記録するなど、リーグ2位の37盗塁をマークしている。
【5月10日時点での打撃成績】※基本オーダー
1(中)秋山 32試合128打数45安打5本塁打21打点4盗塁 打率.352
2(遊)源田 32試合135打数43安打0本塁打25打点6盗塁 打率.319
3(二)浅村 32試合133打数40安打7本塁打29打点1盗塁 打率.301
4(一)山川 32試合109打数34安打12本塁打39打点0盗塁 打率.312
5(指)森 30試合111打数34安打3本塁打18打点4盗塁 打率.306
6(三)外崎 32試合118打数34安打3本塁打18打点8盗塁 打率.288
7(左)栗山 24試合59打数16安打2本塁打16打点0盗塁 打率.271
8(捕)岡田 10試合19打数6安打1本塁打3打点0盗塁 打率.316
9(右)木村 22試合27打数9安打1本塁打5打点3盗塁 打率.333
投手陣もエース・菊池投手が5勝0敗、多和田真三郎投手が6勝0敗と、2人で貯金11を生み出している。その他の先発投手は、3月にトレードで加入した榎田大樹投手、7年目の十亀剣投手、新外国人のカスティーヨ投手で計7勝を挙げる。
牧田和久投手、シュリッター投手が抜けた救援陣は、セットアッパーとして期待された高橋朋己投手が故障で離脱したが、武隈祥太投手、平井克典投手が、その役割を担う。守護神・増田達至投手は防御率こそ3.60だが、リーグ3位の6セーブを記録している。
投打にバランスが良かった10年前の埼玉西武
首位を走る埼玉西武だが、最後にリーグ優勝した10年前の4月の戦いぶりはどうだったのだろうか…。
10年前の4月終了時点の成績は18勝12敗1分、2位・楽天に1.5ゲーム差をつけて首位だった。この年の埼玉西武を振り返ると、渡辺久信監督が就任し、片岡易之選手(当時の登録名、現巨人二軍コーチ)、栗山巧選手、中村剛也選手といった若手を積極的に起用した。
25歳の片岡選手、24歳の栗山選手、フレッシュな2人が開幕から1、2番を形成。3番・中島裕之選手(当時の登録名、現オリックス)、4番・ブラゼル選手、5番・G.G.佐藤選手がクリーンアップを務めた。同年本塁打王に輝いた中村選手は6番を打っていた。
4月終了時点の主力選手の成績を振り返ると、4番・ブラゼル選手がリーグトップの11本塁打、3番・中島選手がリーグトップタイの40安打、リーグ2位の27打点、1番の片岡選手がリーグトップの12盗塁と、2018年と同じように打って走れる打線だった。
【4月終了時点の打撃成績】※基本オーダー
1(二)片 岡 29試合114打数29安打1本塁打9打点12盗塁 打率.254
2(左)栗 山 28試合90打数23安打1本塁打12打点7盗塁 打率.256
3(遊)中 島 31試合131打数40安打7本塁打27打点6盗塁 打率.305
4(指)ブラゼル31試合125打数31安打11本塁打22打点0盗塁 打率.248
5(右)G.G佐藤31試合116打数37安打6本塁打19打点0盗塁 打率.319
6(三)中 村 31試合114打数29安打7本塁打15打点2盗塁 打率.254
7(一)石井義 14試合32打数12安打0本塁打2打点0盗塁 打率.375
8(捕)細 川 31試合100打数24安打3本塁打18打点0盗塁 打率.240
9(中)ボカチカ11試合32打数9安打4本塁打10打点0盗塁 打率.281
投手陣も4月終了時点で、エース・涌井秀章投手(現千葉ロッテ)が2勝3敗と黒星先行も防御率1.81、同年ヤクルトからFAで加入した石井一久投手(現プロ野球解説者)はリーグ2位の4勝をマークした。救援陣も守護神・グラマン投手が14試合に登板して7セーブ、防御率0.00、セットアッパーの岡本真也投手が12試合の登板で防御率1.46、小野寺力投手(現ヤクルト二軍投手コーチ)も17登板で防御率1.93と抜群の安定感を誇った。
2008年、2018年ともに投打が見事にかみ合い、確実に勝利をものにしている埼玉西武。10年前と同じ首位で4月を終えた今季は、このままリーグ優勝に向けてひた走ることができるだろうか。
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