21日でオープン戦の全日程が終了した。25日から、143試合という長く過酷なシーズンが幕を開ける。各チームの仕上がりはどうだったのか。オープン戦での戦いぶりをもとに、検証したい。
オープン戦の全日程を終え、パ・リーグ6球団の順位は千葉ロッテ、福岡ソフトバンク、楽天、埼玉西武、北海道日本ハム、オリックスとなった。
千葉ロッテは16試合を戦い、9勝4敗3分。ナバーロ選手の離脱という緊急事態で打力の低下が懸念されたが、鈴木大地選手が12球団でトップタイの打率・400、成長著しい井上晴哉選手が打点ランキング2位の13打点をマークするなど、伏兵が攻撃陣を引っ張った。
千葉ロッテに次ぐ福岡ソフトバンクは15試合で8勝4敗3分。順位は2位だが千葉ロッテよりも1試合少なく、昨年覇者が安定した強さを発揮したといえる。何と言っても昨年のトリプルスリー、柳田悠岐選手。5本塁打、14打点は12球団いずれもトップの「2冠」だ。昨年のMVP男は、今年も大いに期待できそうだ。メジャーから復帰した和田毅投手も問題なく先発ローテーションに加入。オープン戦は失点0で終えた。4番が有力な内川聖一選手の離脱はあったものの開幕には間に合いそうで、選手層の厚みも健在だ。
最下位からの巻き返しを狙う楽天は15試合で9勝5敗1分と奮闘。先頭打者として期待される岡島豪郎選手が打率・347の好成績。新たに2番を務める銀次選手、3番の松井稼頭央選手、4番・ウィーラー選手も好調で、新加入のゴームズ選手が4本塁打と、「恐怖の7番打者」として君臨。昨季とは違う姿を見せられるか。
15試合で8勝5敗2分の埼玉西武を引っ張ったのは打率ランキングトップの坂田遼選手(打率・400)と4本塁打8打点の山川穂高選手。プロ8年目、30歳を迎える坂田選手と昨年わずか1試合出場、25歳の山川選手。ともにパンチ力が魅力の選手だが、安定して打率も稼げれば、好打者ぞろいの打線はさらにパワーアップする。
7勝8敗に終わった北海道日本ハムの中で存在感を放ったのが近藤健介選手。規定打席には達しなかったがオープン戦打率・371、最終戦のヤクルト戦(札幌ドーム)でも4打数3安打と、いい流れでシーズンに入れそうだ。昨年リーグ3位の打率・326を記録しブレイク。不動の4番、中田翔選手も3本塁打と順調で、そのあとを打つ5番打者として機能すれば他チームの脅威となる。
オリックスは16試合で4勝9敗3分。勝利数こそ少なかったが、中軸として計算されている新加入のモレル選手、ボグセビック選手は打率3割をマークし、6番、7番を担ったT-岡田選手も好調。糸井嘉男選手、小谷野栄一選手、中島宏之選手など経験豊富な選手が多いだけに、オープン戦とは違った姿を見せる可能性は十分にある。
各チーム、調整期間は終わった。試合数も異なるし、何より投手陣の成績が参考になりにくいオープン戦。シーズンはこの順位通りにはいかないだろう。だが、選手はそれぞれでアピールを続け、首脳陣はそれを基盤としてペナントレースを戦っていく。シーズンが終わったとき、オープン戦で奮闘した選手やチームの成績がどうなっているかにも、注目したい。
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