10年ぶりの9連勝で単独首位 オリックス、快進撃の原動力はどこに?

Full-Count

2021.6.22(火) 11:22

オリックス・中嶋聡監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
オリックス・中嶋聡監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

月間チーム打率も防御率もリーグ1位と投打の歯車が噛み合うオリックス

 オリックスの快進撃が止まらない。21日に行われた楽天戦に4-3で勝利し、引き分けを挟み、10年ぶりとなる9連勝を達成。68試合を終えて33勝27敗8分けとし、ついに楽天を抜いて単独首位に浮上した。

 6月1日の時点では借金3のリーグ5位だったオリックスだが、そこから怒濤の白星ラッシュ。交流戦優勝を果たすと、6月は驚異の12勝2敗1分けを記録し、上位球団をごぼう抜きに。1位から5位までが3.5ゲーム差内にひしめく混戦パ・リーグで首位に立つことになった。

 とにかく、この6月は投打の歯車が噛み合っている。月間のチーム打率.269、チーム防御率2.03はどちらもリーグトップ。特に1点台さえも視野に捉える防御率は驚異的だ。いまのオリックスはまさに、投打どちらも万全の状態だと言えるだろう。

 それでは投手陣、打線それぞれを見て行こう。まずは投手陣だ。

 オリックスにとって投手陣は浮上に向けた課題の1つだった。というのも、5月は月間防御率5.20と惨憺たる成績。先発陣が5.67、救援陣も4.38と苦戦を強いられていた。それが6月に入り、大幅に改善。普段対戦のないセ・リーグ球団というのも要因の1つかもしれないが、先発陣は驚異の1.90、リリーフ陣も2.30と圧倒的な成績をマークした。

吉田正と杉本の中軸もさることながら、大きい1番・福田周平の存在

 先発陣では交流戦MVPに輝いた山本由伸が3勝、防御率0.86をマークしているのを筆頭に、宮城大弥が2勝1敗、防御率1.35、山岡泰輔が1勝、防御率2.57、山崎福也が2勝、防御率2.25と揃って好成績。さらに、守護神に平野佳寿が収まってリリーフ陣も安定。澤田圭佑や能見篤史、漆原大晟、山田修義らは防御率0.00となっている。

 一方で打線は5月から続く好調を維持している。チーム打率.269はリーグトップ。シーズンを通してのチーム打率.258もリーグ1位に浮上した。主砲の吉田正尚は6月も月間打率.321と安定して好成績を残す。今季ブレークしている杉本裕太郎は吉田正を上回る打率.327をマーク。チーム最多の2本塁打12打点を残し、いまや中軸に欠かせぬポイントゲッターとなっている。

 そして、大きいのはリードオフマンとして定着した福田周平の存在。5月半ばから1番を任されると、6月に入って打撃の状態は右肩上がり。月間打率.396も優秀だが、それ以上に出塁率.529が出色の数字。15試合で14個の四球を選んでおり、現在15試合連続で出塁中。10得点を記録しており、オリックス快進撃の原動力になっている。

 がっちりと投打の歯車が噛み合うオリックス。後半戦に向けて、ドジャース傘下3Aで打率4割超をマークするランヘル・ラベロ内野手ら新外国人補強も噂されている。この快進撃がどこまで続くか注目だ。

(Full-Count編集部)

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