なぜ無くならない大声を出すファン 改めて願う“コロナ禍”での観戦マナーの徹底

Full-Count 福谷佑介

2020.8.28(金) 08:10

27日は福岡ソフトバンクがオリックス相手に4-2で勝利した※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
27日は福岡ソフトバンクがオリックス相手に4-2で勝利した※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

27日の福岡ソフトバンク対オリックス戦でも大声をあげるファンの姿があった

■福岡ソフトバンク 4-2 オリックス(27日・PayPayドーム)

 福岡ソフトバンクは27日、本拠地PayPayドームでオリックス戦を戦い、4-2で勝利した。先発の笠谷が5回まで2安打1失点7奪三振と好投。打っては甲斐の2ラン、上林のソロなどで得点を奪った。これでカード3連勝とし、今季のオリックス戦は13勝2敗に。折り返し前の59試合目にして、7年連続のオリックス戦勝ち越しを決めた。

 3点リードの最終回には守護神の森がマウンドへ。大城、吉田正、中川に3連打を浴びて満塁のピンチを招いたが、続くジョーンズを二ゴロ併殺打に。この間に1点を失ったものの、事なきを得て、試合を締め括った。

 福岡ソフトバンクが3連勝を飾った一戦だったが、どうしても気になることがあった。それが、スタンドのファンからの声援だ。新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、大声を上げての応援は禁止されている。それは上限5000人の制限の中でスタンドに駆けつけているファンの大部分が理解していることである。

 だが、ごく一部、本当にごく一部、大声を上げる人がいる。この日の試合でも大声をあげるファンが少なからずいた。もちろん選手の一挙手一投足に対して、思わず声があがってしまうことはある。それは観戦する上では仕方ないところでもある。ただ、あえて大声を出しての応援は必要だろうか? このご時世ではやってはいけないし、そんなことをしなくても、ファンの思いは確実に選手に届いている。

対策で大切になるのはファン1人1人の自覚とマナーの遵守

 感染拡大予防の観点からももちろんだが、限られた人数の中で観戦に訪れることができたファン全員が気持ちよく観戦してもらいたいもの。新型コロナの収束が見えない中で、近くに大声を出すファンがいることで(仮に離れていたとしても)不安に思う人、気になって野球観戦が楽しめない人が間違いなく存在している。現に、私自身が、そういう大声をあげるファンに対して不快な気持ちになる。

 それぞれの球団がガイドラインを設定し、場内放送では観戦マナーの徹底を呼びかけている。また球場係員が声かけをしたり、注意をしたり、と対策はしているものの、それにはどうしたって限界がある。もちろん球団は徹底した対策を求めたいが、やはり、ファン1人1人の自覚と観戦マナーの遵守に頼らざる得ない部分が大きいだろう。

 有観客試合が再開された7月10日から1か月半あまりが立った。徐々に有観客が日常のようになりつつあるが、まだ上限は5000人のままだ。決して日常ではない上に、世の中にはまだ球場で観戦したくても、できないファンがまだたくさんいる。1人が観戦マナーを守らず、そのスタンドでクラスターが発生したならば、どうなるか……。考えたくもないが、最悪の場合は試合の中止や、再び無観客開催に逆戻りしてしまう可能性だってあり得るだろう。

 2020年のプロ野球は、まもなく折り返し地点となる。残り60試合強。プロ野球界のため、そして全てのプロ野球ファンのため、もう一度、スタンドで観戦するファンには観戦マナーの徹底と周囲への配慮をお願いしたいものだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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