大谷選手の“5項目”をデータを用いて分析、スプリットは「致命的。99点」
1日(日本時間2日)に敵地アスレチックス戦でメジャー初先発初勝利を飾ったエンゼルスの大谷翔平選手。2回に3ランを被弾したが、6回を投げて3安打6奪三振1四球で3失点(自責3)という内容で、見事にクオリティスタート(QS、6回以上を自責3以内)を達成した。160キロのファストボールや急降下する高速スプリットなど、初マウンドで凄みを存分に示した大谷選手の“5項目"について、MLB公式サイトが格付け。空振りを奪ったスプリットは「致命的」と最高評価を受ける一方、唯一「平均的」と評価されたのは――。
「最初の先発で我々がオオタニの腕について学んだこととは」
メジャーデビューを受け、MLB公式サイトでは「ベーブ・ルース2世」と期待される投手・大谷を徹底分析した。
まずは最速160キロをたたき出したファストボール(直球)。平均速度は時速97.8マイル(約158キロ)で、格付けでは「エリート。99点」とメジャートップ級と評価している。
アスレチックス戦で投じた大谷選手のファストボールは39球で、平均時速は158キロだったという。昨季、100球以上ファーストボール(フォーシーム、ツーシーム、シンカー)を投げたメジャー268人の先発投手と比較して、大谷選手のファストボールよりも平均球速が上だったのは、メッツの剛腕ノア・シンダーガード投手だけだったという驚異的なデータを紹介している。
スプリットの効果性については、41.6%という高い空振り率だったことを指摘。こちらも「致命的、99点」とメジャートップ級の評価を与えた。
この試合ではスプリットを24球投げ、初回に主砲オルソン選手を三振に仕留めた圧巻のボールを含めて、10度の空振りを奪ったという。そして、「オオタニのスプリットフィンガーファストボールは際立っていた」と特集では称賛。スプリットを武器とする投手で大谷選手を上回る空振り率を1試合で記録した投手は昨季メジャーで2人しかいなかったとしている。
9月29日にヤンキースの田中将大投手が、5月17日にエンゼルスのマット・シューメーカー投手がそれぞれ42.1%を記録。大谷選手のこの試合のスプリットの切れ味はそれに次ぐデータを叩き出したというのだ。記事では「ただ力強いというのではない。ファンタスティックだ」と絶賛している。
スライダー&制球力も高評価、唯一「平均的」とされたのは…
一方、ストライク率34.6%を記録したというスライダーについては「輝かしい。96点」とこちらもトップクラスの評価。2回にはチャップマン選手に3ランを打ち込まれたが、それでも称賛している。この試合ではスライダーを26球投げて、空振りを3度奪取し、ストライクは9球だったという。昨季メジャーで1試合で先発投手が25球以上のスライダーを投げ、尚且つそのスライダーで5球以上のストライクを奪ったのは505試合で、大谷選手のこの日のストライク率34.6%という数字は18位だったというデータも紹介している。
また、全投球のストライク率68.5%(92球でストライク63球)については「際立っている」と合格点。昨季のサイ・ヤング賞投手マックス・シャーザー(ナショナルズ)は100球以上を投げた8試合でストライク率70%を記録しながら、14試合で到達できなかったことから、「偉大な投手にとっても簡単ではない」と大谷選手の68.5%という数字を評価。特集では「オオタニの四球はわずか1だった。つまり、彼の制球は明確に冴えていた」と称賛した。
一方、唯一、平均評価となったのは課題とされるファストボールの回転率。リリース直後からの1分平均のボールの回転数は「2218」と計測されており、「平均的。48点」としている。日ハム時代のスカウティングレポートから、「ファストボールは威力抜群だが、比較的に真っ直ぐ」と指摘。そして、回転率が高くないために、「(ファストボールは)大きな動きを見せない」と分析している。
回転数はボールの伸びに影響を与えるとされており、「高い回転率はライジング・ファストボールの効果と相関関係が一般的に存在する」と言及。この日も空振りを奪ったのは5球だった。そして、インディアンスのカルロス・カラスコ投手を例に挙げながら、「豪速球は優秀な変化球を生かすために最大活用されるかもしれない」と記事では分析。メジャー最高レベルのスライダーやスプリットを生かす見せ球になるかもしれないというのだ。
スプリット、スライダー、そしてファストボールのスピードでメジャートップ評価を受けた「投手・大谷」。初戦白星スタートとともに、地元メディアも最大級の評価を与えている。
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