埼玉西武は2009年と2010年に救援防御率4点台と、涌井秀章投手(現千葉ロッテ)、岸孝之投手(現楽天)、石井一久氏(現解説者)などがいた先発陣に比べると、当時の救援陣は大きな不安を抱えていた。
かつてはウィークポイントだった救援陣も近年は整備されている。昨季は牧田和久投手、シュリッター投手、増田達至投手の“勝利の方程式"に加え、武隈祥太投手、平井克典投手、大石達也投手といった投手の活躍もあり、救援防御率は3.32を記録した。
台頭する若手。意地を見せる中堅。そして頼もしい鉄腕
今季は牧田投手、シュリッター投手が退団したが、2014年から2年連続で60試合に登板した経験を持つ高橋朋己投手が左肘の手術から戻り、今季は再び“勝利の方程式"の一角を担う活躍が期待される。
ルーキーイヤーの昨季42試合に登板し防御率2.40と好成績を残した平井克典投手も、オープン戦8試合に登板して3セーブ、防御率2.25。“勝利の方程式"入りへアピールした。
2016年にロングリリーフを中心に50試合に登板するも昨季わずか10登板にとどまった小石博孝投手は、3月9日に行われた楽天とのオープン戦で1回を3者凡退に打ち取るなど、オープン戦は6回1/3を投げて失点0と安定した投球を披露する。
さらに、ここへ来て阪神から榎田大樹投手をトレードで獲得。榎田投手は近年、苦しいシーズンが続いているが、新人時代の2011年に62試合に登板して、防御率2.27をマークするなど実績は十分。これまでもトレードで復活したケースは多くあり、新天地で再び調子を取り戻す可能性もありそうだ。
救援陣が充実したことで、3年連続50試合登板を続ける武隈投手を、手薄な先発で試すことができた。かつては“ウィークポイント"と言われていた埼玉西武の救援陣だが、チームの武器のひとつになろうとしている。
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