とにかく長かった! 今季の試合時間トップ5は?

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2019.9.11(水) 08:00

福岡ソフトバンクホークス・栗原陵矢選手(C)パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・栗原陵矢選手(C)パーソル パ・リーグTV

「パーソル パ・リーグTV」では全戦最後まで生中継。今季の試合時間5傑は?

 プロ野球は攻撃側が3アウトにならなければ、攻撃が際限なく続いていくスポーツだ。それゆえ、試合展開によってその所要時間は大きく変わってくる。延長戦になった試合も含めた、今季のNPBにおける平均試合時間は3時間22分。しかし、今季のパ・リーグで最も短い試合は2時間21分、最も長い試合は5時間21分と、試合時間の上下幅は3時間にも及んでいる。

 プロ野球史上最長となっているのは1992年9月11日の阪神対ヤクルトで、試合時間は実に6時間26分。今季のパ・リーグでは6時間超えの試合はないが、試合時間が5時間を上回ったゲームは8試合存在している。そこで、今回は今季のパ・リーグで試合時間の長さがトップ5に入った試合をそれぞれ紹介。いずれも延長12回にもつれ込んだ熱戦の詳細を、あらためて振り返っていきたい。

1位タイ:4月23日 千葉ロッテ対埼玉西武(5時間21分)

 千葉ロッテが涌井秀章投手、埼玉西武はニール投手という両先発で始まったこの試合。千葉ロッテは1回裏に荻野貴司選手の足を絡めた攻撃を見せ、清田育宏選手の内野ゴロの間に1点を先制。埼玉西武も直後の2回表に中村剛也選手の犠飛で同点に追いつくと、4回表には木村文紀選手のソロと源田壮亮選手の適時打で2点勝ち越し。しかし、千葉ロッテはZOZOマリンで同日11時から行われていた“親子ゲーム”にもフル出場していた井上晴哉選手が同点の2点適時二塁打を放つと、荻野貴選手にも2点適時二塁打が飛び出して逆転に成功する。

 しかし、埼玉西武の強力打線も黙ってはいない。5回表に山川穂高選手がバックスクリーンに特大のソロを放って1点差に詰め寄ると、6回表に2番手の種市篤暉投手から秋山翔吾選手が犠飛を放ち、試合は5対5の同点に。6回裏に角中勝也選手の内野ゴロとレアード選手の適時打で千葉ロッテが2点を勝ち越し、7回裏には荻野選手が再び適時打を放って3点差とするが、8回表に埼玉西武が中村選手のソロ、山川選手と森友哉選手の連続適時打などで、一気に4点を奪って再び試合をひっくり返す。

 しかし、直後の8回裏、2死無走者という場面で鈴木大地選手が値千金の同点ソロを放ち、そのまま試合は延長戦に突入する。11回表には千葉ロッテが1死2,3塁という絶体絶命のピンチを凌ぐと、12回裏に埼玉西武も1死1,2塁というサヨナラの危機で清田選手をダブルプレーに仕留め、同点のまま試合終了。両者とも最後まで譲らなかった乱打戦は、9対9の引き分けという結果に終わっている。

1位タイ:7月8日 福岡ソフトバンク対埼玉西武(5時間21分)

 今や、毎年おなじみとなった福岡ソフトバンクの「鷹の祭典」。そのうちの一試合として東京ドームで行われたこの一戦は、2回裏のデスパイネ選手のソロを皮切りに、3回裏に内野ゴロの間に1点、4回裏に松田宣浩選手のソロ、5回裏に上林誠知選手の2ランと、福岡ソフトバンクが4イニング連続で小刻みに点を重ねていき、5回までに5対0と大きなリードを奪う。

 しかし、埼玉西武も6回表に28打席無安打と大スランプだった山川選手に、久々の安打となるソロが飛び出して反撃開始。7回表には3番手の武田翔太投手を攻め立て、外崎修汰選手の適時内野安打、山川選手の適時打、中村剛也選手の2点適時二塁打で、一気に4点を奪って試合を振り出しに戻す。直後の7回裏に福岡ソフトバンクが内川聖一選手の犠飛で1点を勝ち越し、森唯斗投手の離脱を受けて抑えを務める甲斐野央投手が1点リードのまま9回のマウンドに上がる。しかし、2死3塁から森友哉選手がまさに起死回生の逆転2ランを放ち、埼玉西武が劇的なかたちで勝ち越しに成功する。

 だが、荒れた試合はこのまますんなりとは終わらなかった。9回裏に埼玉西武の守護神・増田達至投手から上林選手がこの試合2発目となるソロを放ち、土壇場で試合を振り出しに戻す。延長戦では埼玉西武が11回表、12回表と2イニング連続で得点圏に走者を進めたものの、あと1本が出ずに勝ち越しはならず。すると、12回裏に福岡ソフトバンクは1死満塁と絶好のチャンスを作り、代打に栗原陵矢選手が送り込まれる。23歳の若武者はしびれる場面で値千金のサヨナラ犠飛を放ち、5時間を超える熱戦に終止符を打った。

3位:8月1日 千葉ロッテ対オリックス(5時間18分)

 試合は千葉ロッテ・ボルシンガー投手とオリックス・K-鈴木投手の先発で開始。千葉ロッテが1回裏に相手の野選と内野ゴロで2点を先制するが、ロメロ選手が3回表に適時打、5回表に犠飛と活躍を見せ、オリックスが同点に追いつく。千葉ロッテは5回裏にマーティン選手の豪快なソロで勝ち越すと、6回裏には中村奨吾選手と柿沼友哉選手の連続適時打でリードを3点に広げ、継投策で無失点に抑えて終盤まで優位に試合を進めていた。

 しかし、オリックスは8回表に5番手の唐川侑己投手を捉え、宗佑磨選手の2ランと中川圭太選手の適時打で同点に。代わった東條大樹投手から後藤駿太選手が押し出しの四球を選び、この回4点を奪って一気に勝ち越しに成功する。だが、千葉ロッテも直後の8回裏に海田智行投手から荻野貴司選手が適時三塁打を放ち、再び試合は振り出しに。千葉ロッテは9回裏にも2死2,3塁とサヨナラのチャンスを掴むが、ここはオリックスの守護神・ディクソン投手が踏ん張りを見せ、試合は延長戦に突入していく。

 11回裏にも千葉ロッテは再び2死2,3塁の場面を作ったが、ここでも試合を決めることはできず。それでも12回表を東妻勇輔投手が無失点に抑えて敗戦の可能性がなくなると、12回裏に1死満塁と3度目のサヨナラのチャンスが訪れる。ここで打席に入ったマーティン選手が、エップラー投手から冷静に押し出しの四球を選んで試合を決めた。12回表を抑えたルーキーの東妻投手にとっては、嬉しいプロ初勝利を手にした試合となった。

4位:8月18日 北海道日本ハム対楽天(5時間15分)

 北海道日本ハム・金子弌大投手、楽天・石橋良太投手の両先発で始まったこの試合。楽天が1回表にブラッシュ選手の適時内野安打で1点を先制するが、直後の1回裏に北海道日本ハムが近藤健介選手の2点適時三塁打と渡邉諒選手の犠飛で3点を奪って逆転に成功。続く2回裏にも西川遥輝選手の適時打で1点を加えるが、楽天も4回表に和田恋選手の適時打で点差を詰める。なおも2死2,3塁となったところで北海道日本ハムは金子投手から公文克彦投手にスイッチし、代打の下水流昂選手を三振に斬って取りピンチを切り抜けた。

 5回裏には北海道日本ハムが1死満塁の大チャンスを作るが、ここでマウンドに上がった楽天の2番手・ハーマン投手が完璧なリリーフを見せて追加点を与えず。互いにリリーフ陣が相手打線に得点を与えずに試合が進んでいったが、7回表に北海道日本ハムの4番手・堀瑞輝投手から楽天の浅村栄斗選手が同点2ランを放ち、試合は4対4の振り出しに。9回表には楽天が1死満塁の絶好機を作るが、秋吉亮投手がブラッシュ選手と銀次選手から連続三振を奪ってこの大ピンチを切り抜け、試合はそのまま延長戦に突入する。

 10回裏には北海道日本ハムが無死1,2塁とするが、高梨雄平投手がここから3者連続三振と圧巻の投球を見せてサヨナラを許さず。北海道日本ハムは試合序盤から多くの投手を起用してきたが、10回表からマウンドに上がった村田透投手が3イニングを無失点と素晴らしい投球を見せ、任された役割をきっちりとこなした。しかし、打線は最後まで楽天投手陣からサヨナラの1点を奪うことはできず。試合は4対4のまま、引き分けに終わっている。

5位:3月30日 北海道日本ハム対オリックス(5時間12分)

 新加入ながら開幕第2戦の先発を託されたベテラン右腕の金子弌大投手は、移籍後初登板でいきなり古巣のオリックスと対戦することに。試合は1回表にメネセス選手の適時打が飛び出してオリックスが先制すると、2回表には小田裕也選手のソロでその差を2点に広げる。しかし、3回裏に前日の開幕戦でサヨナラ満塁弾を放っていた中田翔選手が2試合連発となる2ランを放ち、まさに4番という働きで一気に試合を振り出しへと戻した。

 その後は両チームの投手陣がゼロを並べていき、試合は同点のまま推移していく。7回裏には北海道日本ハムが2死満塁の絶好機を作るが、齋藤綱記投手が近藤健介選手を空振り三振に仕留めて勝ち越し点を与えず。直後の8回表にはオリックスが1死2,3塁とするが、百戦錬磨の宮西尚生投手が流石の粘りを見せてこちらも無失点。試合は2対2のまま、9回の攻防に突入する。

 9回表、オリックスは北海道日本ハムの5番手・石川直也投手から1死満塁とすると、頼れるキャプテン・福田周平選手がセンター前に2点適時打を放ってついに勝ち越しに成功。9回裏には満を持して守護神の増井浩俊投手がマウンドに上がるが、北海道日本ハムは2死満塁とランナーを溜め、打席には4番の中田選手。ここで主砲が持ち前の勝負強さを見せつけて直球をセンター前に弾き返し、走者2人を生還させて土壇場で試合は同点に。その後の延長戦では互いの投手陣が安定した投球で得点を許さず、試合は4対4の引き分けに終わっている。



「パーソル パ・リーグTV」では、パ・リーグの主催試合の生中継を全戦試合終了まで行う。どれだけ長い試合であっても、現在は試合の最後まで視聴する方法があるのだ。たとえ試合中に23時を過ぎてしまうとしても、やはり好きなチームの試合内容や結果は気になるもの。最後の1イニングまで勝利に向けて奮闘する選手たちの勇姿を、ぜひ最後まで追ってみてほしい。

◇パ・リーグの全てを余すところなく楽しめる。「パーソル パ・リーグTV」では、6球団の本拠地主催試合を、一軍、二軍ともに試合終了まで放送中!
https://tv.pacificleague.jp/page/smp/service/

記事提供:

パ・リーグ インサイト 望月遼太

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE