20世紀は江夏氏が最多、21世紀から大きく変遷
セーブは1974年に新たに設けられた記録だ。リードを保ったまま交代完了した投手(=クローザー)が一定の条件を満たした場合に与えられる。導入以来44シーズンになるが、セーブ記録は毎年大きく変動している。
【2017年末時点でのセーブ数歴代5傑】()は実働年 ※は現役
1岩瀬仁紀 404セーブ(1999-)※
2高津臣吾 286セーブ(1991-2007)
3佐々木主浩 252セーブ(1990-2005)
4サファテ 229セーブ(2011-)※
5小林雅英 228セーブ(1999-2011)
1974年、初代の最多セーブはセが中日・星野仙一氏の10セーブ、パが南海・佐藤道郎氏の13セーブだった。80年代に入るとシーズン30セーブ以上を記録する投手が出てきたが、何年も続けて多くのセーブを挙げる投手は少なかった。
21世紀に入るまで、通算193セーブの江夏豊氏(1967-1984)が長く通算セーブ記録を保持していた。しかし、21世紀に入って、救援投手がクローザーとセットアッパーへとさらに分業されるとともに、30セーブ以上を連続して記録する投手が登場し、セーブ記録が次々更新された。江夏氏の記録は現在、歴代7位である。
1位の中日・岩瀬仁紀投手は50試合以上登板したシーズンが16度もある。故障知らずの頑健さで、空前の400セーブを記録した。これを追いかけているのが福岡ソフトバンクのサファテ投手だ。昨シーズンは54セーブのNPB記録を樹立。MVPも受賞した。4月9日には37歳になるサファテ投手だが、今季中に佐々木主浩氏を抜いて歴代3位になる可能性が高い。
今季、記録達成の可能性がある投手は?
セーブは100セーブから50セーブ刻みに連盟表彰される。今季、記録達成の可能性がある投手を挙げていこう。()は昨年実績。
〇250セーブ 3人
サファテ(ソ)229セーブ 残21セーブ(54セーブ)
藤川球児(神)223セーブ 残27セーブ(0セーブ)
〇200セーブ 6人
永川勝浩(広)165セーブ 残35セーブ(1軍登板なし)
〇150セーブ 13人
山口俊(巨)111セーブ 残39セーブ(0セーブ)
増井浩俊(オ)110セーブ 残40セーブ(27セーブ 日本ハム)
〇100セーブ 28人
山崎康晃(De)96セーブ 残4セーブ(26セーブ)
松井裕樹(楽)96セーブ 残4セーブ(33セーブ)
西野勇士(ロ)86セーブ 残14セーブ(0セーブ)
西村健太朗(巨)81セーブ 残19セーブ(0セーブ)
中崎翔太(広)74セーブ 残26セーブ(10セーブ)
澤村拓一(巨)73セーブ 残27セーブ(1軍登板なし)
五十嵐亮太(ソ)70セーブ 残30セーブ(0セーブ)
岸田護(オ)63セーブ 残37セーブ(0セーブ)
田島慎二(中)60セーブ 残40セーブ(34セーブ)
増田達至(西)59セーブ 残41セーブ(28セーブ)
益田直也(ロ)58セーブ 残42セーブ(9セーブ)
高橋朋己(西)52セーブ 残48セーブ(0セーブ)
中にはダブルストッパーを置くチームもあるが、多くの球団ではセーブを記録することができるクローザーは1人である。セーブ記録まであと少しでも、クローザーに起用されなければセーブ数は増えない。
史上最多の404セーブの岩瀬仁紀投手は今は中継ぎであり、昨年は2セーブしか挙げていない。また、250セーブまで残り27の藤川投手も、今は中継ぎ。ホールドを稼ぐ機会はあっても、セーブ数が増える見込みはあまりない。
一方で、クローザーに固定されシーズン通して活躍すれば、20セーブは堅いところだ。
各球団のクローザーのセーブ数はどんどん増えていく。今オフのセーブ数ランキングも大きく変動するはずだ。岩瀬投手の記録に迫る投手は現れるだろうか?
記事提供: