夏の甲子園優勝投手たちの現在地。彼らはあの輝きを再び取り戻せるか

パ・リーグ インサイト

2016.9.1(木) 00:00

福岡ソフトバンクホークス・松坂大輔投手(C)パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・松坂大輔投手(C)パーソル パ・リーグTV

8月7日から始まった夏の甲子園は21日に決勝が行われ、栃木・作新学院と南北海道・北海が対戦。作新学院が7対1で勝利し54年ぶり2度目となる栄冠に輝いた。中でも優勝の原動力となったエース・今井達也投手は最速151キロの直球を武器に甲子園で躍動。U-18日本代表にも選ばれ、27日にQVCマリンで行われた大学日本代表との一戦でも5三振を奪いその実力を見せ付けた。今井投手の進路はまだ明らかになっていないが、プロ志望の場合は今秋のドラフト会議では上位指名となる可能性が高い。

現在パ・リーグに在籍していて、高校時代に夏の甲子園の優勝投手となった選手は4人いる。福岡ソフトバンクの松坂大輔投手(1998年・横浜)、北海道日本ハムの斎藤佑樹投手(2006年・早稲田実業)、福岡ソフトバンクの島袋洋奨投手(2010年・興南)、埼玉西武の高橋光成投手(2013年・前橋育英)だ。高校時代は頂点に上り詰めた彼らだが、現在は苦境に立たされている。

まずは、北海道日本ハムの斎藤佑投手だ。昨年はわずか1勝に終わったが、今年は5月に一軍昇格。中継ぎでの登板が続いていたが、6月29日の埼玉西武戦で今季初先発。続く7月13日のオリックス戦では5回無失点と試合を作る好投を見せた。しかし28日の埼玉西武戦で4回途中5失点と振るわず。その後二軍降格となりイースタンリーグでの登板が続いている。チームは福岡ソフトバンクと熾烈な優勝争いを繰り広げているだけに、二軍でしっかりと結果を残し一軍再昇格を目指したい。

興南高を卒業後、中央大を経てプロ入りした福岡ソフトバンクの島袋投手は今年で2年目。1年目の昨年は9月25日の千葉ロッテ戦でプロ初登板を果たしたが、今季はまだ一軍での登板はない。二軍では主に中継ぎで登板し、一軍昇格に向けて奮闘が続く。高校時代は「琉球トルネード」と呼ばれた独特の投球フォームで春夏連覇を達成しただけに、このまま終わるわけにはいかない。

埼玉西武の高橋光成投手はプロ1年目の昨年、初登板は8月となるもそこから5連勝を挙げ大器の片鱗を見せる。2年目の今年は開幕から出遅れるも、6月初めまで3勝1敗とまずまずの成績を残していた。しかしその後、試合序盤は好投するも中盤になると突然崩れて降板するケースが増え、次第に負け数が多くなっていく。8月14日のオリックス戦で約2ヶ月半ぶりの白星を挙げるが、続く21日の千葉ロッテ戦で今季10敗目と「2年目のジンクス」に苦しんでいる。

そして、最後に挙げるのはWBCで2大会連続MVP、西武(当時)、ボストン・レッドソックスと日米で結果を残してきた福岡ソフトバンク・松坂投手だ。昨年、日本球界復帰を果たしたが右肩の手術もあって一軍未登板。今季は3月16日に古巣・埼玉西武とのオープン戦で先発するも、その後は二軍での調整を余儀なくされる。5月中旬には右手の違和感でさらに実戦登板から遠ざかった。それでも、8月25日のウエスタンリーグ・広島戦では6回から登板。1回を3者凡退に抑える好投を見せ復活への再スタートを切った。

現在の福岡ソフトバンクでは同学年の和田毅投手が先発の柱としてチームをけん引している。「松坂世代」のトップを走り続けてきた者として、移籍後初となる一軍登板に向け、しっかりと前を見据えている。

あの輝きを再び…。4人の甲子園優勝投手はそれぞれの戦いに勝利すべく、日々汗を流す。

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