その役割は言うまでもなし。過去5年の「開幕4番」を振り返る

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2018.3.19(月) 16:51

オリックス・バファローズ T-岡田選手(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・バファローズ T-岡田選手(C)パーソル パ・リーグTV

「開幕投手」ほどではなくても、それに似た話題性を持つ役割として「開幕4番」が挙げられる。とはいえ、開幕戦は公式戦のただの1試合に過ぎない。それでもそこで先発を務め、4番に座る選手に対して特別な意味を持たせる風潮は強い。

エースも4番も、そのチームを背負って立つ選手の称号だ。ただ有無を言わせぬ実力はもちろんのこと、言葉にできない部分の「エースらしさ」「4番らしさ」も求められることがあり、開幕オーダーが話題になるのもその影響があるのかもしれない。

そこで今回は、過去5年間における各球団の「開幕4番」を振り返ってみたい。

北海道日本ハム

2013:中田選手
2014:中田選手
2015:中田選手
2016:中田選手
2017:中田選手

北海道日本ハムの4番は、5年間全てで中田選手が担当している。歓喜の日本一を経験した2016年も、悔しい結果に終わったシーズンも、4番としての重圧を多く引き受けていたのは中田選手だった。

4番の役割を誰よりも知っている中田選手が、今季も開幕4番としてチームをけん引するだろうか。はたまた、球団史上3人目の3年連続30本塁打を達成したレアード選手が、中田選手に代わって開幕4番に座るのか。

楽天

2013:ジョーンズ選手
2014:ジョーンズ選手
2015:ペーニャ選手
2016:ウィーラー選手
2017:アマダ―選手

楽天の開幕4番は、外国人選手が多く担当している。昨季は「外国人選手20発トリオ」の活躍も目立ったが、中でも今季の開幕4番最有力候補は、自己最多の31本塁打を放ったウィーラー選手だろう。

来日4年目を迎える人気者が、持ち前のパワフルな打撃で、シーズンの頭から楽天打線をけん引することができるだろうか。

埼玉西武

2013:オーティズ選手
2014:浅村選手
2015:中村選手
2016:中村選手
2017:中村選手

過去10年で7度の開幕4番を経験している中村選手は、「さすが」の一言に尽きる。昨季は不振に陥ったと言われながら、貫禄の27本塁打。今年で35歳、17年目とベテランの域に突入しているが、その長打力で今季もチームを盛り立ててくれることだろう。

その中村選手の後継者として期待されているのが、昨年中盤から4番に座って23本塁打を放った山川選手だ。シーズンの最初から伝統ある埼玉西武の4番となれるか、注目だ。

千葉ロッテ

2013:井口選手
2014:井上選手
2015:今江選手
2016:デスパイネ選手
2017:パラデス選手

千葉ロッテの4番最有力候補は、2014年に64年ぶり「球団新人の開幕4番」を経験した井上選手だ。ここまで長く苦しんでいたが、今年のオープン戦では勝負強い打撃でしっかりと結果を残している。4年の時を経て、未完の大器の完全覚醒なるか。

オリックス

2013:李大浩選手
2014:ベタンコート選手
2015:中島選手
2016:モレル選手
2017:ロメロ選手

オリックスの開幕4番には、その年の新戦力が任される傾向があり、昨年入団したロメロ選手もその1人だ。今年は誰が開幕4番に座るのだろう。

注目は、マレーロ選手とロメロ選手、昨季チーム最多の31本塁打を放ったT-岡田選手だ。脇腹痛から復帰したばかりのT-岡田選手は「4番を打ちたい」と語っていただけに、開幕4番の座はぜひ勝ち取りたいところ。

福岡ソフトバンク

2013:ペーニャ選手
2014:李大浩選手
2015:内川選手
2016:内川選手
2017:内川選手

福岡ソフトバンクの開幕4番は、2015年から3年連続で内川選手が担当。昨季終盤は故障に見舞われながらも、クライマックスシリーズでは同一ステージ初となる4戦連発。日本シリーズでも起死回生の同点弾を放ち、チームを2年ぶりの頂に押し上げた。

一方で、チーム内には離脱中に4番を務めて本塁打王を獲得したデスパイネ選手もいる。はたしてどちらが開幕4番に座るのか楽しみだ。

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パ・リーグ インサイト 吉田貴

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