OP戦2試合連続無失点、地元紙「この日本人がパドレスにもたらすものは…」
パドレスに移籍した牧田和久投手はここまでオープン戦5試合に登板して0勝0敗、防御率3.60の成績を残している。5イニングで2失点を喫しているものの、最近2試合連続無失点。13日(日本時間14日)のカブス戦では2三振を含む3者凡退と完璧な投球を見せた。アンディ・グリーン監督は、メジャーの打者が「サブマリン」の牧田投手を打ち崩すためには「スイングを変える必要がある」と地元紙に話し、米国での成功に太鼓判を押している。
地面すれすれのリリースポイントから、浮き上がるような軌道を描く牧田投手の直球。メジャーにはアッパースイングの打者が多いため、高めに投じれば「接点がない」と牧田投手本人も確かな手応えを示している。現在のMLBに同じような投手がほとんどいないことも、プラス材料だ。
地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」の特集記事では「サブマリナーのカズヒサ・マキタのように浮き上がるファストボールを投げる者は誰もいないと、パドレスのアンディ・グリーン監督は推察する」と紹介。そして、「この日本人がパドレスにもたらすものは、他とは異なる」としている。
牧田投手の直球は120キロ台後半。ただ、緩急と高低を巧みに使い、打者のタイミングをずらす技術もあるため、この“遅い"直球が捉えられない。記事でも「地面から這い上がる彼の速球(もしそう呼べるなら)は、この大陸の打者に難問を与えるだろう」と予想。メジャーの打者が苦しむ根拠をグリーン監督が解説している。
ベテラン捕手はバックアップ約束「このスタイルを適応させたい」
「向こう(日本)のスイングは、より叩く傾向にある。ここにいる多くの選手は打ち上げようとする。この球に対する答えを見出すために、彼らはスイングを変えなければいけない」
牧田投手を打つためには、アッパースイングは“圧倒的不利"だが、メジャーリーガーがそのためだけにスタイルを変えられるのか。おそらく、そういった発想にはならないだろう。だからこそ、指揮官はまだメジャーの公式戦で1球も投げていない右腕に信頼を寄せる。
あとは、牧田投手自身が新しい環境にしっかり馴染むことができるか。ここまでは、オフの補強の目玉だったエリック・ホズマー内野手らとコミュニケーションを取る様子が米メディアなどでも取り上げられている。そして、肝心の投球についても心配はいらなそうだ。記事の中で、ベテラン捕手のA・J・エリス選手は「彼の投げ方は独特だ。この投球法において、彼は日本で支配的だった。僕たちはこのスタイルを適応させたいと考えている」と“全面バックアップ"を約束している。
サブマリン右腕が、120キロ台の直球やスローカーブを駆使して、メジャーの猛者を困惑させる。痛快な光景がサンディエゴで見られそうだ。
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