埼玉西武は伊東勤の16回が最多、次いで石毛の14回、清原は11回
7月12日、オールスターゲームが始まる。セ・リーグとパ・リーグのスター選手が集まり、リーグの雌雄を決する戦いだ。
NPBのオールスター戦はプロ野球が2リーグに分立した翌年、1951年に始まった(それ以前には東西対抗戦があった)。以後、毎年「夏の球宴」として大きな注目を集めている。交流戦ができる前は、リーグが違うチームの選手が試合で対戦する機会は、日本シリーズやオープン戦を除けば、オールスターしかなかった。
それだけに両リーグの対抗意識は大きかった。また新聞も試合展開の予想記事を掲載した。交流戦ができた2005年以降は真剣勝負なのは変わらないが、和やかな空気も生まれつつある。
オールスター選出回数を、球団別に見ていこう。
○埼玉西武(西鉄・太平洋・クラウン)
伊東勤 16回
石毛宏典 14回
清原和博 11回
捕手として長く活躍した伊東勤(現千葉ロッテコーチ)が最多。西鉄ライオンズ時代のスター、稲尾和久、中西太はともに7回だ。
○福岡ソフトバンク(南海・福岡ダイエー)
野村克也 20回 辞退1回
門田博光 12回
小久保裕紀 10回
野村克也は埼玉西武でも1回選出されている。通算21回は、史上最多。
○北海道日本ハム(東急・東映・日拓)
張本勲 16回 辞退1回
田中幸雄 9回
毒島章一 8回
中田翔 8回
張本勲は巨人でも1回選出されている。現役では中田翔が8回。
○オリックス(阪急)
福本豊 17回
米田哲也 14回 辞退2回
山田久志 13回
阪急黄金時代を支えた大選手たちが並ぶ。オリックス時代のイチローは7回。
○千葉ロッテ(毎日・大毎・東京)
有藤通世 13回
村田兆治 13回
榎本喜八 12回
千葉ロッテは昭和時代の大選手が並ぶ。落合博満は6回だ。
○楽天
嶋基宏 8回
田中将大 6回
山崎武司 4回
創設15シーズン目の楽天は、現役の嶋が最多の8回。
○近鉄
鈴木啓示 15回
土井正博 10回
小玉明利 9回
大石大二郎 9回
合併で消滅した近鉄は、300勝左腕の鈴木啓示が1位だった。
巨人は王貞治の20回、2位は長嶋茂雄、3位には現役の阿部
○広島
山本浩二 14回
衣笠祥雄 13回
野村謙二郎 8回
広島初優勝時の主力打者だった山本浩二と衣笠が1、2位。菊池涼介は今年で6回目。
○東京ヤクルト(サンケイ・国鉄)
古田敦也 17回
金田正一 14回
若松勉 11回
大捕手古田敦也、400勝投手金田正一、安打製造機若松勉とレジェンドが並ぶ。現役の山田哲人は5回目。
○巨人
王貞治 20回
長嶋茂雄 16回
阿部慎之助 13回
王貞治の20回は、野村の21回に次ぐ史上2位。続いてONコンビの長嶋。現役の阿部と続く。坂本勇人は今年で11回だ。
○横浜DeNA(横浜・大洋)
松原誠 11回
近藤和彦 9回
秋山登 9回
大洋時代の名一塁手、松原が1位。大魔神佐々木主浩は8回。現役の筒香嘉智は5回だ。
○中日
江藤慎一 10回
谷沢健一 9回
木俣達彦 8回
井端弘和 8回
昭和の主力打者が並ぶ。アライバコンビの井端弘和は8回、荒木雅博は5回。
○阪神
吉田義男 13回
掛布雅之 10回
江夏豊 9回
田淵幸一 9回
藤川球児 9回
牛若丸こと名遊撃手吉田義男が1位。ミスタータイガース掛布が続く。現役では藤川球児が今年も選出され、3位タイに入った。
全体的に野手の方が多い。投手は野手よりも好不調の波が大きいことが多く、やや不利だといえよう。オールスター選出は、実力だけでなく人気や運がからんでくる。埼玉西武の現役、栗山巧は1500本以上の安打を打ちながら1度しかオールスターに選ばれていない。一方で、人気先行で、高卒1年目からファン投票トップに立った、太田幸司(近鉄)のような例もある。
オールスターは両リーグの戦いであるとともに、それぞれの選手のプライドがぶつかる戦いでもある。今年も熱戦を期待したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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